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「医療機器に対する知識がなかった」と失敗を認め…
一雅氏本人も自著で「私に医療機器に対する知識がなかった」と失敗を認めた医療機器分野への参入だ。
「11年、子会社の小林メディカルが大腿骨の骨折の治療に使うチタン合金のインプラントの疲労試験のデータを改竄。厚労省に薬事法違反で行政処分(業務停止処分)を科されている」(前出・社会部記者)
処分後、12年に小林製薬は、小林メディカルを三菱商事に売却。小林製薬で医療機器に携わったことのある元社員が話す。
「医療機器分野は、規制が厳しくパッケージの印刷ミス1つでもすぐに厚労省に報告し、卸先の医療機関に連絡を入れるなど細かにマニュアル化されていた。(売却後は)そうした厳しい管理を実行するような人材がいなくなってしまったのでは」
前出の元社員もこう話す。
「昔の一雅さんは新たな投資には慎重だった。ただ、CMで成功してしまい、身の丈をわきまえないで、今回のサプリなどに手を広げ過ぎたように思える」
インサイダー疑惑や一雅氏の経営方針などについて質問状を送ったところ、小林製薬から回答があった。
「弊社の紅麹関連製品について、関係の皆様に多大なご心痛、ご不安をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。現在、弊社は紅麹関連製品の回収及び体調不良を感じておられるお客様のお問い合わせへの対応等に全力を上げて取り組んでおり、回答を差し控えさせていただきます」
“あったらいいなをカタチにする”を標榜する小林製薬が起こしたあってはならない事件。真相究明が待たれる。