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中山秀征(57)はなぜこれほどテレビに出続けるのか? “歌も芝居もいまひとつ”だった群馬の少年が「誰にも負けないタレント」になるまで

7月31日は中山秀征の誕生日 #1

8時間前

genre : エンタメ, 芸能

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芸能界を目指すきっかけになった5歳の出来事

 彼は5歳のとき、県内の遊園地へやって来た当時大人気だったフィンガー5を観に連れて行ってもらい、メインボーカルのアキラと一緒に歌えるコーナーに並んだものの、自分の直前で締め切られてしまった。悔しくて「いつかアキラと歌うぞ」と心に誓ったのが、芸能界を目指すきっかけとなる。

中山が芸能界を目指すきっかけとなったフィンガー5(「ゴールデン☆ベスト フィンガー5」ジャケットより)

 中学2年のときには親に頼み込んで児童劇団に入り、いきなりサスペンスドラマで殺害される少年というメインの役でデビューしてしまう。ただ、その後はオーディションを受けても端役ばかり。東京に行かなければチャンスは来ないと思い込み、中学3年の3学期に神奈川県川崎市の学校に転校する。

 高校時代は友人や教師の家に居候させてもらいながら、オーディションを受け続けた。だが、食費を切り詰めていたら栄養失調で倒れてしまう。これを機に大手の芸能事務所に入ろうと方針を転換し、オーディション雑誌で目に留まった渡辺プロダクションに応募、書類審査を通過した。この時点で中山はてっきり契約タレントになれたものと思い込む。

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 実際には契約できるかどうかはレッスンの出来しだいであり、歌も芝居もいまひとつだった中山の処遇は、最終的にマネージャー陣がタレントを選ぶ社内オーディションに委ねられる。採決に際し誰も手を挙げず、「終わった」と思った瞬間、遅刻して入ってきた若手マネージャーが「中山は俺が担当します」と挙手してくれ、首が皮一枚でつながった。

中山は群馬県出身(中山のインスタグラムより)

「バラエティで売れたら…」とのマネージャーの言葉でお笑いの世界へ

 関口雅弘というこのマネージャーの預かりという形で、中山は歌や芝居のレッスンを続けられることになる。翌1985年には、映画『パンツの穴~花柄畑でインプット~』で初めて名前のついた役で出演した。この映画はオーディションを受けたあと、結果がなかなか伝えられなかった。

 焦って泣き言を言う中山に、関口マネージャーは「俺が『ここにいろ』と言っているあいだはここにいろ。その代わり、俺が『群馬に帰ってくれ』と言ったら帰ってくれ。そのときは電車賃と弁当は持たせてやるから」と言ってくれたという。