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――ファンイベントも行なったそうですが、こちらはいかがでしたか?

ゆうこす HKT48を辞めた当初はTwitter(現・X)のフォロワー数が2万人くらいいたのかな。“元HKT48”の看板もまだあったし、一人2000円のチケットで100人来てくれたら20万だ! それを月に1回できたらめっちゃいいぞ! と思って開催して、はじめはお客さんも来てくれたんです。でも2回目に来る人がいなくて、お客さんもだんだん減っていって、あるとき100人規模の会場にお客さん3人しかこない日があったんです…! おじさん3人と私、もうね、地獄の空気でしたよ(笑)。人気のないガールズバーみたいな、想像しただけでもキツいですよね。

©釜谷洋史/文藝春秋

 とにかく気まずいし、お客さんも「前はアイドルでキラキラしていたのに、全然売れてないじゃん!」って思っただろうし。友達に受付をやってもらいましたが、「席が余り過ぎてるから、4人目で座ってくれる?」って友達にお願いして。まぁ、座ったところとて、なんですけど。

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「まぁ、行かないよな。応援する理由も必要なんだな」

――3人というのは当日分かったんですか? 

ゆうこす 前もって私が人数までチェックしていなかったのと、当日券ありますとは聞いていたけど、まあ埋まるでしょって過信しちゃってたんですね。でも違った。トークライブをする予定でしたが、時間がかなり余ってどう過ごそうと思いながら、みんなでマリオカートした記憶はありますね。ちょうど4人体制だから。しかも、誰もマリオカートできないから私が勝ち続けるっていう…。

 でもよく考えたら、アイドルを辞めてしばらく炎上しちゃった女の子で、ここから何をするか決まってるでもなく、当時企画力もないままゆるっと開催しても、まぁ行かないよなって思いますね。応援する理由も必要なんだなっていうのはすごく感じた記憶はあります。

©釜谷洋史/文藝春秋

 結局、料理本も出ず、イベントも人が集まらず、仕事もなく、精神的に不安定になってしばらく実家に帰りました。家族以外とは誰とも会わずに、部屋にこもってひたすらネットサーフィンやゲーム、音楽を聴くか漫画を読み漁る生活になって。でも、世間には落ちぶれたと思われたくないのでTwitterでは「私は幸せです!」みたいなこと書きながら2年程度ニート生活を過ごしました。

撮影 釜谷洋史/文藝春秋

ゆうこす写真集 チャーミング

ゆうこす ,桑島 智輝

講談社

2024年8月9日 発売

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