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「鬱の人って自分が鬱って気づかない。私もそうでした」

――精神科を受診するきっかけを教えて下さい。

ゆうこす 鬱の人って自分が鬱って気づかないって言いますけど、私もそうでした。今思えば不安が募ると怒りっぽくなったり、社員へのアタリも強くなってしまったこともあったりして、当時付き合い始めた今の夫が、ちょっと病院行った方がいいと言ってくれたんです。

©釜谷洋史/文藝春秋

――不安症状の一つなのか、一人でトイレやお風呂に行くことも厳しかったと伺いました。

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ゆうこす それは子どもの頃からですね。会社を立ち上げた後の鬱の症状半分と、子どもの頃から不安な部分もあって、鬱がバーン! とくると、元々あった症状も相対的に増える感じで。精神病ってあなたはこういう病気ですよってなかなか病名がつけられないと思うんですね。色々な要素が複雑に入り組んで、鬱とかパニック障害になるんでしょうけど、自分も一つではなかったと思います。

 トイレに関しては、子どもの頃から一人でトイレに行けなくて、19、20歳の頃も実家にいたときは弟についてきてもらったり、深夜になると父についてきてもらったり。学校のトイレは、休み時間は、女子はだいたいトイレに群がっているので大丈夫なんですよ。でも授業中に1人で教室を抜けてトイレに行くのは絶対無理! お風呂も家に誰かいれば大丈夫なんですけど、自分しか家にいないときは入れませんでした。

 あと、家にいるときは家中の鍵をかけるんです。でも、かけて5分後には本当にかかっているか確認しにいって、その後も何回も点検しないと怖くって。当時は窓を開けっぱなしにするとパニック状態だったと思いますね。

――誰かに相談などされましたか?

ゆうこす 子どもの頃からそうだったので、私的には当たり前のこと、みんなもそんな感じだろうくらいに思っていたんです。当時はSNSもやってなかったから情報も入ってこなかったし、病気っていう概念もなかったですね。親も「ゆうこは怖がりだなぁ」くらいに感じていたんじゃないかな。

©釜谷洋史/文藝春秋

――外出は大丈夫でしたか?

ゆうこす 地方出張するときは、今でも一人でビジネスホテルに泊まれないです。スタッフに帯同してもらい、一緒に部屋で寝てもらっています。申し訳ないのでなるべく良いホテルに泊まるようにしています(笑)。