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「少数の熱狂してくれる人たちを生んだ方がSNSの世界では強い」

――ぶりっ子キャラを届けるターゲット層などありましたか?

ゆうこす 男性に私のぶりっ子キャラを発信しても数年で消費されて終わるな。それなら女性にぶりっ子を届ける。クラスの中に2、3人はいる本当はぶりっ子したいんだけど周りの目を気にしてぶりっ子できない。でも男の子にモテたい。ピンクの可愛いリボンとか付けたい。でもクラスのサバサバ女子の目を気にしてできない。そんな少数派の代弁者になって発信したら、その人たちは熱狂してくれるかもしれない。

「ぶりっ子ってカッコよくない?」といった空気を作ったら、彼女たちがイベントにどんどん来やすくなるんじゃないかと思ったんです。あえてパイを小さくして、少数の熱狂してくれる人たちを生んだ方がSNSの世界では強いかもしれない、と仮説を立てたんですね。

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©釜谷洋史/文藝春秋

 だから、たとえば周りから「ぶりっ子ウザい」って言われたとしても、その人たちに届けたいわけではなくて、ちゃんと届けたい層に届くことが大事だなって思いながら取り組んでいました。

――SNSで発信する際、大事なポイントもあったそうですね。 

ゆうこす SNSを使って最初に思ったのは、何かのファンを獲得するためには共感を生まないといけない。私のことを好きな人が、私のマネがしたいと思えるような表情や仕草、行動パターンも全て考えました。当時は自分を弱く、あざとく見せることが“モテ”ルールだと思っていて、たとえばアヒル口。元々口角が上がっていましたが、写真を撮るときはより意識して唇がプクッと上がるようなメイクと表情、洋服も全部計算済みでした。

©釜谷洋史/文藝春秋

 ただ…私もこの前30歳になって、結婚もして、会社も経営して。ファンも同世代が多いから一緒に成長してきていると思うんです。みんな社会人のいい年齢になってきて、弱さや、あざとさといったゆうこすから、自立や挑戦など見せ方も変化はしてきていますね。