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危機的状況が続く女子医大の医療現場

 7月2日、大学を所管する文科省に、東京女子医大の教授ら6人の姿があった。警視庁の家宅捜索を受けて以降も経営体制が是正されることなく、医療現場に深刻な危機が続いていることから、岩本理事長に辞任を要求する署名活動を実施。2000名を超える署名を携えて、文科省に指導を求める、異例の“直訴”を行ったのだ。

 日本を代表する消化器外科医の本田五郎教授は、こう訴えた。

「東京女子医大は臓器移植で国内トップクラスの施設でしたが、現在はICU(集中治療室)が機能していないので、移植手術がストップしています。移植が必要な患者のために、この状況は早く改善しなければなりません」

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危機的な状況が起きている(筆者撮影)

 2022年、集中治療科の教授らに対して、経営陣が理不尽な処分を行うなどしたことから、専門医9人が一斉退職、ICUが空中分解する事態になった。その後も、以前のような規模で専門医を補充できず、新たに集中治療科の教授となった医師も近く退職することになった。大学病院でありながら、高度医療に必要不可欠なICUが機能していないという、極めて深刻な状況が続いているのだ。

 現役の女子医大教授が述べる。

「今回、第三者委員会が厳しい調査結果を出してくれたことに、最後の希望を賭けています。岩本理事長や取り巻きの理事たちを一新しないかぎり、東京女子医大の復活はありません」

 第三者委員会から事実上の辞任勧告を受けて、岩本理事長の去就に注目が集まっているが、自ら辞職する可能性は低いとみられる。女帝の座から降りてしまえば、権力で押さえ込んでいた関係者が次々と不利な証言をすることは想像に難くない。

 警視庁捜査二課は、側近Xの給与二重払いによる特別背任容疑と合わせて、東京女子医大の大型施設に関連した不透明なカネの動きも追っているという。

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