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 委員長には、去年まで最高検察庁次長検事だった山上秀明弁護士が選任された。東京地検特捜部長時代には、徳洲会による公職選挙法違反事件を指揮した人物である。

 このほか、青山学院大学・元学長の三木義一弁護士など、不正調査の専門家である合計4人の弁護士によって委員会は構成された。

勤務実態のない側近に“年額約3600万円”の給与

 第一の調査対象は、警視庁が家宅捜索を行った「特別背任容疑」。

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 岩本理事長の側近Xは、2018年に同窓会組織「至誠会」の事務職員として、東京女子医大から“出向”扱いで年額約2000万円の給与を得ていた。同時にXは勤務実態がないにも関わらず、至誠会からも年額約1600万円の給与を二重に得ていたのである。(#12,#19

 当時の岩本氏は、東京女子医大の理事長と至誠会の会長を兼務していたことから、側近の特別背任容疑に関与している可能性が高い。だが、家宅捜索の後に学内で行われた職員向けの説明会で、岩本氏はこう述べていた。

「警察の捜査には、びっくりしている。(元職員Xは)報酬に見合う以上の仕事をこの大学でしていたと、認識をしているし、この件に関して問題はなかったと考えている」

警視庁の家宅捜索(3月29日・東京女子医医大)

 実際は、3月の家宅捜索で、警視庁が関係する証拠書類をすべて押収している。現在も捜査中なので、第三者委員会の弁護士たちには、肝心の証拠書類を確認することができない。そのため、特別背任容疑に関しては、関係者のヒヤリングが中心になったようだ。

「配布された書類は回収されたので記憶の範囲ですが、側近Xの給与が二重に支払われた事実は確認されたと。業務内容から考えて給与額は過剰に多かったという判断でした」(前出の女子医大関係者)