下咽頭がんのステージ4を宣告されてから現在に至るまで、その経緯を自身のインスタグラムで細かく発信していた見栄晴さん(57)。

 多くのファンからの反応と同時に、たくさんの仕事仲間のお見舞い報告も含まれていた。見栄晴さんの心に残った、友人や師匠からの心遣いを伺った。

見栄晴さん ©文藝春秋 撮影・石川啓次

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木梨憲武から届いた『癌は治る。頑張れ。俺のドラマはダメだったけど(笑)』

――たくさんのお知り合いの方々がお見舞いに駆けつけられていましたね。闘病中の、周りの方々との印象深い出来事を教えてください。

見栄晴 昔から可愛がってくれてる(木梨)憲武さんとのやりとりは印象に残ってます。俺が番組で癌を公表したら、ノリさんからすぐにショートメールがきて。

『癌は治る。頑張れ。俺のドラマはダメだったけど(笑)』って。

  そのときちょうど、ノリさんがドラマで、癌になって余命宣告される役を演じてたんですよ。最後の文はシャレてるけど、普段こんな真面目なことを言う人じゃないんですよ。だから逆に、本当に心配してくれてるんだなとも思いました。

1カ月気づかなかった、萩本欽一からのお見舞金

――師匠の萩本欽一さんとご連絡は取られましたか?

見栄晴 大将には番組で公表する前日に、電話で直接伝えました。「治る治る、今の医学は進歩してるから」って励ましてくれました。最近はテレビで一緒になることは少ないけど、プライベートではしょっちゅう電話してるんですよ。大将が持ってる馬を俺が管理してるっていうのもあるしね。

  そしたら翌日、俺の口座に黙ってお見舞いを振り込んでくれてたんですよ。でも普段使わない口座だから全然気が付かなくて、1ヶ月くらいしてから事務所の人からメールがきて、初めて気が付いたの(笑)。大将も言ってくれればいいのに、恥ずかしがりのところがあるからわざわざ言わないんですね。

木梨憲武から届いたショートメッセージ

――入院中、ご家族はいらっしゃったんですか?

見栄晴 来なくていいって言ってました。入院は1週間ずつだったし、元気だから来てくれてもやることないんですよ。毎週金曜日だけ、奥さんに競馬新聞をお願いしてました。病院内にローソンがあるんだけど、流石に競馬新聞は売ってなくて(笑)。土曜日は、大学時代の親友がわざわざ川崎から車で来て、毎週買ってきてくれました。

――競馬はやはり、闘病中の楽しみでしたか。

見栄晴 うん。病院も土日は休みだから、点滴入れてるだけなんですよ。これまでは仕事だったから、土日にこんなゆっくり競馬を見たことなかったし、家にいることもなかったから不思議な感じですよね。身体は元気だったから「俺休まなくてもいけたんじゃないかな」って思いながら家で『競馬予想TV!』を観てました。