「もしかして」…酔っ払って用を足した場所とは?

 旅行先は沖縄だったそうです。沖縄と言えば「御嶽(うたき)」と呼ばれる時別な場所があります。そこは神様の来られるお祭りの日などに、許された人だけが入ることが出来て、普段は、人間が立ち入ることが出来ない神聖な場所です。もしかすると、そこに入られたのではないか。そう思いましたのでお訊ねしましたが、そんな所には入っていませんと仰いました。

御嶽から見た沖縄の海

 そうなると、次には起こった現象から見てみようと思いました。

「お塩、水、アンモニア臭、人の気配」私は口に出してそう言いました。すると何かを思い出されたように広崎さんは大きな声を上げられました。

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「もしかして」

 広崎さんは、原因はこれかも知れないとお話し下さいました。

「気心の知れた友人四人で、沖縄へ旅行に行きました。沖縄は天気も気候も良く、ついつい羽目を外してしまいました。そして、夜に居酒屋で遅くまでお酒を飲んで、酔っ払ってしまいました。友人たちは、私ほどは飲んでいなくて、友人からも注意を受けるほど、酔っ払っていたんです。

 そしてそろそろ宿に戻ろうとなったその帰り道、私は尿意をもよおしたのです。そして、何処かにトイレは無いかと探しました。

 そんな時、偶然にも公衆トイレを見つけたのです。私は『これは良かった』と建物に入ろうとしましたが、何故か鉄製の扉で、しかも全く開かなかったのです。仕方がないので、私はそのまま扉の前で用を足してしまいました。

 そして帰る日の朝、現地のガイドブックを見て驚いたんです。私が用を足した所は、どうやらお墓だったようなのです。

 友人たちも驚いて、戻って掃除をしようとも言っていたのですが、帰りの飛行機に遅刻してしまいそうなギリギリの時間でしたので、そのまま帰って来てしまいました」

 そう仰いました。