「週刊文春」が報じた、東京ヤクルトスワローズの現役選手やOBらが参加した野球教室が、稟議書や契約書が存在しない “闇営業”だった問題。

 奥川恭伸投手や中村悠平捕手といった人気選手が稼動した複数の野球教室で、球団に一円も入金されない事態が起きている。

奥川恭伸 ©時事通信社

 だがーー。

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「球団関係者の中では、真相究明されないままで終わってしまうのだろうという危機感が持たれています」

 そう語るのは、この問題を取材した「週刊文春」の播磨谷拓巳記者である。

 現在、一部の関係者が独自に調査を進めているというが、球団は調査に乗り出していない状況だ。

「内部では、球団の営業次長のA氏と、球団OBのギャオス内藤さん、そして日本スポーツエージェント(以下、JSA社)という企業が何らかの共謀をして野球教室を開催したのではないかというような見方が強まっています」(同前)

 A次長こそ、稟議書や契約書もないまま現役選手やコーチを“闇営業”に参加させた人物である。だが、ヤクルト球団はA次長を今日に至るまで処分していない。その背景には、球団の“暗部”とでもいうべき社内事情があるという。

「疑惑の渦中にいるA次長には、直属の上司として、球団の取締役である黒石誠治さんという方がいらっしゃいます。A次長は黒石さんに非常に可愛がられていて、さらに黒石取締役は衣笠会長の側近です。

 球団内ではA次長と黒石取締役、衣笠会長の3人は鉄の結束と呼ばれていて、会長の直属直系のところにいるA次長の不祥事ということで、事実が有耶無耶になってしまうのではないかと危惧されています」(同前)

球団の衣笠剛会長 ©時事通信社

 果たして、疑惑は闇に葬られてしまうのかーー。

 今回の“闇営業”が発覚した背景、野球教室を共謀したとみられるA次長とギャオス内藤氏およびJSA社の関係、スポンサーが野球教室に支払った“消えた600万円”の行方、ヤクルト球団の言い分などを記者が解説した動画番組の全編は「週刊文春電子版」で見ることができる。また解説動画のダイジェスト版はYouTubeで配信している。

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