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 オリパラ組織委で食堂担当責任者のフィリップ・ヴュルツ氏は「最初にサービスにしたとき、アスリートが動物性タンパク質に群がるので驚きました」と認めた。一人あたり一日900gの肉を消費するので、注文を4倍にふやしたという。(「Le Parisien」Web、2024年8月1日)

デザートやパティスリーの評判はいいものの…

 一方で、フランスのホッケーのティモテ・クレマン選手はフランスの民放TF1で「健康的な食事をしようと思うのなら、できる。フランス料理、アジア料理、ハラール料理、そして世界中のたくさんのスタンドがある」と言う。「生野菜、白身パスタ、全粒パスタ、米、赤身の肉、鶏肉など、本当に何でも見つけることができる。そして、ソースを追加したい場合は、自分の好きなものが選べる」

パリ五輪の選手村 ©getty

 ドイツの柔道のミリアム・ブトケライト選手は、「たしかに(メイン食堂では)10分から15分待たなければならないが、アジアの部門に行くともっと早くておいしい」と話す(「Le Parisien」Web、2024年7月31日)。まあ、フランスまで来て、わざわざ焼きそばや餃子、インドカレーを食べよう、というのもおかしな話だが。

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 クレマン選手によると、朝食もボリュームたっぷりで「伝統的なバゲット・ア・ラ・ミニット、パン・オ・ショコラのようなペストリーがあるパン屋がある。ランチタイムや夕方も同じで、選択肢に事欠かない」

 たしかに、デザートやパティスリーの評判はいいようだ。フランスでは、朝食には甘いものだけで、卵などは食べない。そういう違いもあったのかもしれない。

 英国選手団が「肉が生だった」とクレームをつけているが、フランスと英国の焼き方の違いもあったのだろう。ふだんでもフランスのレアは英国人には「生」だといわれるし、英国で「レア」を頼むとかなり焼かれていてがっかりする。

 アメリカの体操の金メダリスト、シモーネ・バイルズは「フランス料理じゃない」と批判した。ミシュランの星付きシェフが献立を作る、というのを目玉にしていたが、1日600食だけで、すぐなくなってしまうのだとか。そもそも、フランス料理に幻想を持っていたのではないか。日本のテレビでもフレンチのシェフがよく出てくるが、フランス在住の筆者からすると、あんなお洒落な料理はふだん町で食べているものではない。

 ちなみに、バイルズは26日にスーパーマーケットで買ったチョコレートパンを食べているところを投稿していた。そこで31日、「リベラシオン」紙の記者が「もっとおいしいものがある」と町のパティシエが作ったパンやクッキーを届けた。