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 手助けを装い車から降りたところでミシェルがイザベルを強引に自身の車に乗せ、モニクとともに自宅に向かう。そこでミシェルが何度もレイプした後に首を締めて殺害。遺体を自宅から20キロ離れた井戸の中へ投げ捨てた。イザベルの遺体はその19年後、2006年7月に発見されている。

 イザベルが処女だったか否かは定かではないが、1988年4月に殺害された2番目の犠牲者、ファリダ・ハンミッシュ(同30歳)は違った。同年3月、ミシェルの刑務所仲間でその時点でも服役中だった男から、俺の妻と一緒に財宝を運び出してくれとの依頼があった。なんでも、フォントネー・アン・パリの墓地にイタリアのギャングが強奪した50万フラン相当(約1千100万円)の金品が隠されているという。にわかには信じがたいが、ミシェルがこの話を見過ごすわけがない。そこで彼は実際にあった金品を独り占めにし、男の妻を殺害してしまう。彼女こそがファリダだったことは言うまでもない。

 大金を手に入れたミシェルとモニクは同年6月、アルデンヌの森に建つソトゥ城を購入する。フランスには古城物件を紹介する専門の不動産屋があり、城を自宅にすることも珍しくなかったが、ミシェルとモニクは以降、ここを舞台に犯行を続けていく。

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「私には恋人がいます」と言った相手を絞殺

 1988年7月8日にマリー・アンジェル・ドメス(同18歳)、同年8月3日にファビエンヌ・ルロワ(同20歳)が犠牲になった後、モニクがミシェルとの子供を出産。彼らは生まれたばかりの我が子までも犯行に利用する。1989年1月、当時21歳のジャンヌ・マリー・デラモーは夜行列車で、ポールとピエネットという偽名を使ったミシェルとモニクに出会った。2人は愛想が良く親切で、連絡先を交換し別れた。2ヶ月後の3月、彼女は夫婦から連絡を受ける。あなたのような良いお嬢さんに、ぜひ私たちの赤ちゃんの子守をしてほしいのだという。

 ジャンヌは即答せず、同月18日に駅で夫婦と落ち合い、誘われるまま彼らの自宅へと向かう車に乗る。森に囲まれたソトゥ城に入り、彼女は不吉な予感を覚えた。それは間違っていなかった。いきなりミシェルが「君は処女か?」と聞いてきた。平静を装い「いえ、私には恋人がいます」と答えるジャンヌ。途端にミシェルは激昂、粘着テープで彼女の体をテープで縛ったうえで凌辱し、事を終えると容赦なく絞殺した。