太田 スポーツやってた?
コムアイ やってない(笑)。
太田 やってないじゃん(笑)。
コムアイ 全然やらないんだけど、でも、わかるの。クラブで踊る時とかも思うもん。ずっと夢中で踊ってたり、汗かいたりすると。だから、スポーツやってる人は楽しいんだろうなと思う。
そこは世界的注目を浴びるワンピス族が暮らす村
ーーそうして辿り着いた村は、アマゾンの中のどんな場所にあるのですか。
太田 アマゾンと一口に言っても、実は都市もあるし車で進めるところもカヌーでしか進めないところもあるんですが、僕らが行った村はアマゾンのかなり奥地のジャングルの中にある川沿いの村です。
コムアイ ボートでしか行けない村ですね。
ーー川幅の広さって。
太田 広さ自体は向こう岸が見えるくらいですけど、とにかく周り全てが森なのでスケール感がやっぱりとんでもないです。
コムアイ 浅くて広い感じの川って、日本にはあんまりないね。しかも茶色くて、ミルクティーみたい。
ーーひとつの部族が暮らしている村なのですか。
太田 ワンピス族たちが暮らす村です。彼らは気候変動や環境問題に対して声を上げていて、ペルー国内で初めて先住民による自治政府を樹立してるんですよ。大統領がいて、自分たちで憲法を作っていて、森を守る方法も自分たちで決めていくって姿勢で。
例えばアマゾン・ウォッチとか、国際的なNGOも彼らを支援していろいろなノウハウを教えたりもしていて。今世界的注目を浴びている民族です。僕自身も外部の協力者としてこれまで彼らと関わってきて、今回の滞在中もNGOに提出する書類を一緒に作ろうってなってたり。
ーーNGOはどんなノウハウを。
太田 たとえば、太陽光発電を導入してその電力で彼らはラジオ・ワンピスっていうラジオ局を運営しているんですけど。そのやり方や機材のセッティングなんかもNGOから教わっていて、フォトグラファーもジャーナリストもいます。
彼らは昔ながらのヤシの葉で葺いた屋根の小屋に住んでいるんですけど、例えばその中で一眼レフの手入れとかしてるんですよ。
ーーひょっとして、Wi-Fiが飛んでいたり。
コムアイ 1箇所だけ、運が良ければ通じるところがあります。太陽光パネルで発電してるから、天気も関係するんです。ああ、雨だから繋がらないね、とか。
太田 その日にエンジニアがいないと動かなかったり。先住民系ではない人が村の外からエンジニアとして常駐してるんですけど、その人がしょっちゅう用事を作って何週間も村からいなくなっちゃったりするので、そうするとWi-Fiが止まったりします。