結婚後に大企業を辞めることになった経緯
――そのあと交際されて、ご結婚はいつ頃?
あかり 入籍したのは2018年の元旦です。でもプロポーズしてもらったのは2017年6月で、付き合って1年弱くらいで結婚することになりました。私が京都に転勤になって、遠距離恋愛になったので、結婚して一緒に住みたいという思いもあって。
けんじが広島に戻るタイミングに合わせて、2018年3月に仕事を辞めて、広島で一緒に暮らし始めました。
――新婚生活を送るなかで、なぜけんじさんは会社を辞めることになったのでしょうか。
けんじ もともと、ずっと仕事を辞めたかったんです。会社が大きすぎて、自分の要望が全然通らないことに悩んでいて。入社してからずっと関西配属の希望を出していたんですけど、自分の意志とは関係ない場所に転勤させられてしまう。
結婚したときも、あかりが仕事を辞めなくていいように関西配属の希望を出したんです。グループ会社で働く社員同士の結婚だから、少しは融通を利かせてくれると思ったんですけど、結局広島に戻ることになって。
転勤以外にも、大きな会社ならではの古い体質が残っていて、この先もずっとこの会社で働きたい、という未来が描けませんでした。仕事内容にもギャップを感じていたから、なおさら仕事を辞めたくて。
――仕事内容は。
けんじ 店舗に営業する仕事だったんですけど、実際はお店のバックヤードで朝からひたすら商品の陳列をしたり、新店の準備や改装を手伝ったり。いわゆる肉体労働ばかりだったんです。若手だからやらされるというわけでもなく、昔からの古い慣習で、ある程度の年次になっても営業はその仕事をやらなければいけなくて。
もちろん商品の陳列とかも大事ですけど、僕の目には、会社の先輩たちが楽しくその仕事をしているように見えなかった。お金のためと割り切って働いている感じで。もちろんそういう考えも理解できるんだけど、自分はそうなりたくないな、と思っていました。