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谷垣禎一氏に立候補を直談判

 青山 政界入りを考えたのはワシントン時代だと聞きました。

 小林 2007年から3年間、日本大使館に赴任した時に、「政治家になろう」と腹を括りました。米国での日本のプレゼンスが極めて低く、危機感を覚えたのです。親しくなった米国財務省の職員から「今、タカと約束しても、来年日本の総理が代わるかもしれないから意味ないよね」とズバッと言われ、物凄く悔しかった。

 青山 当時は1年ごとに総理が代わっていた時代ですからね。

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 小林 2009年の政権交代前後に、普天間飛行場を巡って鳩山由紀夫総理が、「最低でも県外」、「トラスト・ミー」と発言。日米同盟がトップの一言でガタガタと崩れていくことを感じ、このまま官僚でいて本当に良いのかと。そこで便箋に何枚も思いを綴り、谷垣禎一総裁に送り、立候補を直談判したのです。

 その後、数多くの先輩方にお世話になってきました。私が所属した旧二階派は元々、伊吹派でしたから、伊吹文明元衆院議長には保守とは何かなど、思想的な面を含めて今でもご指導いただいています。

 二階俊博先生にもいろいろ教えてもらいましたが、その指導は非常にシンプルでした。一つは選挙。選挙に勝たないと何の仕事もできませんから、「とにかく選挙区を歩いて現場を見ろ。勝敗は自分の靴底を見れば分かる」と。もう一つは、「仲間を大切にしろ。仲間が何かをする時は助けろ」。「本気になる仲間が5人いれば、たいていのことは成し遂げられる」とおっしゃっていました。

 他にも、経済安全保障分野では甘利明代議士に育てていただいた。国家のあり方を俯瞰し、政策にも精通している。私が尊敬するリーダー・安倍元総理と強固な関係を築いて、TPP(環太平洋経済連携協定)の激しい交渉を担当されました。

二階氏と小林氏(小林氏のフェイスブックより)

 青山 小林さんには、二階さんの言う「5人の仲間」はいますか?

 小林 います。仲間との飲み会も大切ですが、意識しているのは政策作り。私は自分で提言などを書きますが、時には党内で意見が割れたり、官僚と対峙することもある。そこで仲間や先輩に助けてもらい、協力して調整する。修羅場を共にした仲間はやはり信頼できます。