最近、東京近郊でも「白だし系」のつゆを使ったそば・うどん屋が増えている。牛込柳町の個人店「白河そば」、チェーン店「そば助」などは塩系の返しを使う人気店である。有楽町の「都そば」でも関西風つゆが人気だ。そして、今回紹介するのは神保町に2018年3月に開店した「りっちゃん」である。
「りっちゃん」は鶴見や川崎などで人気のローカルチェーン店である。川崎の追分に創業したのが2014年6月。その後、生麦や蒲田などに出店し、神保町が6店舗目とか。
名物「横浜かすうどん」、ルーツを探して……
「りっちゃん」は横浜かすうどんをイチオシにしている。横浜とどんな関係があるのか探るため、4月の暑い土曜日の昼前、「りっちゃん生麦店」を訪ねてみた。というのも、不思議なことに鶴見には「鶴見系」といわれる関西系の黒くないつゆのそば屋が多いのだ。鶴見だけの現象で、鶴見には沖縄の移住者が多く、ソーキそばのつゆをベースにアレンジしたそばつゆが誕生したのがそのルーツではないかといわれている。
すごい元気な女性の従業員の方にそのことを質問すると、あっさり「関係ないと思う。女将さんのりっちゃんがこのつゆに惚れ込んだ」という。ちょっと肩すかしを食らった感じだが、りっちゃんが神保町にいるというので、その惚れ込んだ理由を聞きに、急遽、神保町に向かうことにした。
「りっちゃん神保町店」に到着したのは午後1時過ぎだった。近所の出版社のお偉いさんだろうか「かすうどん」650円を食べに来たり、店はそこそこの入りで、すでに人気になっているようだ。席は皆カウンターだが、仕切りのあるお一人様の席も3席ほどあり、女性でもひとりで安心して入店できる。