「我々が自民党を応援したのは、憲法改正のためです」

 そう語るのは、旧統一教会(現、世界平和統一家庭連合)の元幹部の大江益夫氏(75)だ。大江氏は、国際勝共連合や日韓トンネル事業を進める国際ハイウェイ財団の仕事に携わった古参信者。1992年に統一教会の広報担当となり、翌年から1999年まで広報部長を務めている。

取材に応じた旧統一教会元幹部の大江益夫氏

 この8月に発売されたジャーナリストの樋田毅氏の著書『旧統一教会 大江益夫・元広報部長懺悔録』(光文社新書)で、大江氏は霊感商法が始まった経緯、教団と自民党とのかかわりなど幹部しか知りえない秘話を明かしている。

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 教団と自民党との蜜月が激変したのは、2022年、奈良県の遊説先で安倍晋三元総理が凶弾に倒れて以降だ。銃撃した山上徹也被告が「教団との関係が深い安倍を狙った」という供述をしたことで、旧統一教会と安倍元総理や自民党との関係に注目が集まることになった。

安倍晋三元総理 ©時事通信社

自民党への憤りを語った

 小誌が取材を申し込むと、大江氏は自民党への憤りをこう語った。

「私たちは、あれだけ多くの自民党議員の選挙を手伝うなど面倒をみたのに、安倍元総理の事件を境に教団への批判が高まると、自民党は一斉に手の平を返し、知らぬ存ぜぬ。そればかりか世論に飲み込まれて、宗教法人の解散命令を請求するに至りました。自分たちだけ、逃げ切ろうとしている」