「ゲームは1日1時間」は根拠なし

 もちろん、ここまでいかずとも「子供がゲームばかりで宿題をしなくて困る」というレベルの話もありえるだろう。これに関しては、親が子供の遊んでいるゲームに興味を持つことが重要となる。

 甥が小学生だったころの話をしよう。彼は『ポケットモンスター X・Y』を遊んでおり、母親に「そろそろゲームをやめなさい」と言われた。しかし、「まだセーブできないから!」と言い返して、ゲームを続行していたのである。

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 だが、「ポケットモンスター」シリーズは多くの場面でセーブができるゲームである。実際、彼のセーブできないという言い訳は嘘であった。ただ、私はその様子を見てもう少し待つことにした。

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 切羽詰まるような状況でなかったのも一因だったが、何より甥の遊ぶゲームがひとつの佳境に差し掛かっていたのが大きい。少しするとその盛り上がるシーンを抜けたので、「じゃあ、そろそろやめようか」と声をかけると、彼は素直にやめることができた。

 一口にゲームといっても、いつやめられるのか、どれくらい時間が必要なのかは異なる。親もそれを知っておけば、子供がまだ納得しやすいやめ方を提案できる可能性が出てくる。ただ頭ごなしに「ゲームは1日1時間」などと言っても、反発するのがオチだろう。

 なお、「ゲームは1日1時間」を提唱した高橋名人によると、この時間設定には根拠がないという。あくまで当時のファミコンブームを嫌う親をフォローするために発言したものであり、40年以上前の古い常識であると考えを改める必要があるだろう。大事なのはゲームの時間よりも、すべきことを済ませているかどうか、である。

 また、子供とゲームのネガティブな関係性については、これまで取り上げてきたもの以外にも、対戦型ゲームで性格や発言が豹変したり、勝手に課金をしたりなどさまざまだ。これらの諸問題を解消できる方法はあるのだろうか。#3では、ゲームを取り巻くデメリットを解消する“究極的な解決法”を考えていきたい。