WHOが定義したところによると、

・ゲームを遊ぶことのコントロールができない

・ほかの生活・日常の活動よりもゲームを優先する

・問題が起きているにも関わらずゲームを続ける

・個人・家族・社会における学業・職業上の機能が果たせない

 上記が12ヵ月以上続く場合、ゲーム障害に診断されるという(重症の場合短くとも診断可能)。

 要するに、学校や会社にも行かず、食事・風呂なども無視して、問題をほったらかしてゲームを遊び続けるのを1年近くも続ける必要があるのだが、これはゲーム好きからしてもなかなか稀である。

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 すべてを放棄してゲームを遊ぶのであれば、1日10時間以上はゲームに費やせるかもしれない。1週間で70時間、1ヶ月で約2100時間、1年で2万5200時間となる。しかしいくらゲームが好きでも人間には「飽きる能力」があるわけで、ここまでプレイするのは容易ではない。

 買い切りゲームの場合、ここまで遊べることは滅多にないだろう。確かにいろいろなゲームが出ているものの、そのすべてが趣味・嗜好に合うとも限らない(むしろ全体を見れば好みに合うほうが少ない)し、一本のゲームは長くとも数10時間に収まることが多い。やりこみでプレイ時間を伸ばしたり、あるいはアップデートされることはあれど、ひとつをずっと遊ぶゲームがリリースされることは商売上の観点からも難しい。

注意するべきゲームジャンル

 注意するべきはMMORPGのような一部のオンラインゲーム、あるいはサービス提供型ゲーム(もしくはライブサービスゲーム、基本プレイ無料の形態をとることが多い)であろう。これらのゲームはプレイヤーをより長く拘束し、長期間遊べるような仕組みが用意されている。

 ゲーム障害という言葉が存在する前から“ネトゲ廃人”という言葉があり、これはまさしく仕事や生活を投げ打ってでも没頭する人のことを指していた。

いらすとやの「ゲーム依存症・ゲーム中毒のイラスト」は、まさしく“ネトゲ廃人”をイメージしたような絵になっている。

 よいアイテムを落とすボスを独占するために深夜にプレイする、トイレに行く時間も惜しいのでペットボトルに用を足す、1日20時間以上プレイできる仲間を募集するなど、ひどい話は探せばいくらでも出てくる。また、オンラインゆえのコミュニケーションがデメリットにも繋がりうることもある。