ゲームに飽きたとしても仲間と喋るためにログインする、ほかのプレイヤーに負けないために長時間プレイするといった事態につながりやすいのである。MMORPG以外でもギルド同士で戦うようなゲームは同様のことが起こりうるだろう。

 とはいえ、この手のゲームが必ず廃人を生むとも限らない。筆者も遊んだことはあるし、熱中したこともある(とはいえさすがにトイレで用を済ませていたが)。それでも、1ヶ月もすればプレイヤーを縛り付ける仕組みに嫌気がさしてしまった。何より作品によっては、意図的にそこまで熱中させないような仕組みを用意しているケースもある。結局のところ、プレイヤーおよびプレイするゲーム選び次第である。

「子供が熱中してほかのことを忘れるかどうか」

 だが、それはあくまで私の場合であって、そうでない特性を持つ人もいる。児童精神科医である吉川徹の著作『ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち』によると、発達障害の子供はゲームやネットに没頭しやすい傾向があるという。

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『子どものこころの発達を知るシリーズ10 ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち: 子どもが社会から孤立しないために』(著:吉川徹)

「子供が熱中してほかのことを忘れるかどうか」が重要なのだ。遊んでいるゲームがそうさせるものなのか、そして子供が熱中しすぎてしまうタイプなのかを確認し、必要に応じてスクリーンタイムなどでうまく制限を加える必要があるだろう。

 また、なぜ子供がゲームにばかり熱中するかも確認しておきたい。ただ楽しいからゲームをやめられないのか? それならばゲームを取り上げるのもひとつの手かもしれないが、学校に行きたくないだとか、現実から逃げたいがためにゲームに没頭しているのであれば、ゲームを取り上げたところで問題を棚上げにするだけだろう。