パリ五輪で金メダルを獲得した男子体操団体の萱和磨、谷川航、やり投げの北口榛花をはじめ、日本を代表する選手たちの「アスリートマネジメント」を手がける一方、国内&国際大会などの「スポーツマーケティング」にも数多く携わる会社スポーツビズ。
日本のスポーツビジネスを新しい形で牽引してきた同社社長の山本雅一さんが、パリ五輪の現地視察往復機内で読んだのが、池井戸潤さんの最新長編小説『俺たちの箱根駅伝』だった!
ロングインタビューの前編です。(後編を読む)
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選手たちのためのセレモニーの素晴らしさ
――本日はフランスから帰国されたばかりでのタイミングで取材となりました。
山本 今回のパリ五輪へはマネジメントをしている、スケートボードの中山楓奈選手、ボクシングの岡澤セオン選手、男子体操の萱和磨選手、谷川航選手、フェンシングの身延和靖選手、そして陸上の北口榛花選手の6人が出場しました。とはいえ、オリンピック期間はセキュリティが厳しくて、競技会場で応援はできてもなかなか選手に直接会えるわけではないんです。
たとえば、体操では直接のコーチは試合会場に入れますが、監督でさえラグビーのように観客席で見守ります。そこで現地での僕の仕事は、選手たちのために何かをするというよりも、むしろ日頃お世話になっている関係者への挨拶のためにJOCのレセプションに出席したり、各スポーツメーカーのオリンピックハウスを廻って挨拶をしたりがメイン。たまたまスポンサーさんに誘っていただいて、阿部一二三選手の金メダル獲得の瞬間を観られたのは幸運でしたね。
僅か4日間の滞在でしたけれどすごくよかったのは、エッフェル塔の前に「チャンピオンズ・パーク」が設置され、そこで一般の観客も一緒になって祝福するメダリストのためのセレモニーが開かれたんです。開催地のランウェイを歩いて、現地の人たちに祝福されるのは、どんなに選手たちの思い出に残るのだろうか……できればこれを本当は東京五輪でもやりたかったですけど、とにかく素晴らしいことだと感じました。