パリ五輪で金メダルを獲得した男子体操団体の萱和磨、谷川航、やり投げの北口榛花をはじめ、日本を代表する選手たちの「アスリートマネジメント」を手がける一方、国内&国際大会などの「スポーツマーケティング」にも数多く携わる会社スポーツビズ。

 日本のスポーツビジネスを新しい形で牽引してきた同社社長の山本雅一さんが、パリ五輪の現地視察往復の機内で読んだのが、池井戸潤さんの最新長編小説『俺たちの箱根駅伝』だった!

 ロングインタビューの後編です。(前編を読む)

ADVERTISEMENT

◆◆◆

メディアコンテンツとしての箱根駅伝

山本 僕は駒澤大学のOBなんですけれど、胸を張って自慢できるのが駅伝というコンテンツです。ただ自分が現役の学生だった40年前には、現在ほどの知名度ではありませんでした。僕自身はスキー部出身で、隣の部室が陸上部というか、駅伝部の部室でしたけれど、駒澤大学の周りを走っている気配も別にないし、何をしているのか不思議に感じていたくらいで、それほどの国民的行事ではなかったと思います。

 箱根駅伝がメディアコンテンツとして、本当に数字が採れるようになったのは、日本テレビさんが全コースでの中継をはじめて以降でしょう。プロレスやプロ野球よりやや遅れて、また違ったコンテンツとして成長してきたんですよね。仕事柄、視聴率UPを狙って大物お笑いタレントを起用しようとする、編成局長の暴走ぶりはリアルだなぁ、と思いながら読んでいたんですが(笑)、最終的に硬派に落ち着くところも、「放送手形」なるものを受け継ぐ箱根駅伝の中継番組として正しい姿のような気がしました。

スケートボードの中山楓奈。パリ五輪では7位入賞 ⒸJMPA
見延和靖(左)はフェンシング男子エペ団体で銀メダル獲得 ⒸJMPA