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――化学物質などが流出した可能性は?
例えば、手に入れられやすいもの、農薬類とかあるじゃないですか、毒物で言うと。
ああいうものをこんなところにまいたら、おそらく臭いなどですぐ分かる可能性がありますので、考えにくい。

 

さらに、水環境問題に詳しい別の専門家が指摘したのは、野生動物のフンなどに入っている病原菌が川に流れ込み、滝に溜まった可能性です。

 

水環境問題に詳しい 吉村和就氏:
野生動物から出たですね。やはり病原性の病原菌ですね。(轟の滝は)結構山間部があって、谷間になっているんですね。ですから、周りから全部集まってきた雨、あるいは、水の流れが全部「轟の滝」に入っているという。

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実際に、山に囲まれている滝の周辺にはイノシシなどの野生動物が頻繁に出没するといいます。取材中にも、イノシシを避ける電柵があちらこちらに見られました。

また、感染症の専門家は、明らかに食中毒の症状で、なんらかの病原体を口などから摂取した可能性が高いといいます。

 

東邦大学 小林寅喆教授:
明らかな食中毒症状ですので、そうするとやはり経口的に病原体が体内に入ってくる経口感染と捉えてよろしいかと思います。O157に限定されるものではなく、下痢を起こすような大腸菌、もしくは、その他の細菌ということも考えられます。

 

熊本県は「川の水が原因による感染症も疑われる」として、水に入らないように呼びかけています。

「寄生虫」や「細菌」が原因の可能性

体調不良者が続出した原因については現在調査中ですが、グローバルウォータ・ジャパン代表の吉村和就氏は、その原因を「寄生虫」と「細菌」が考えられるといいます。

 

原因の可能性① 寄生虫によって引き起こされる「クリプトスポリジウム症」

▼感染経路…排せつ物に汚染された食品・水など衛生設備などが整ってない地域での食事・水泳
▼潜伏期間…3日~10日
▼症状…下痢・腹痛・吐き気・けん怠感など

 

原因の可能性② 細菌によって引き起こされる「レプトスピラ症」