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「20名の推薦人は集まりがたい状況か」野田聖子(63歳)

野田聖子 ©文藝春秋

 前回総裁選でも意欲的だったにもかかわらず推薦人が集まらず、二階派から議員を借りて出馬するも惨敗という結果となりました。まあ、野田聖子さんもいろいろありますからなあ……。

 今回も名乗りこそ挙げていますが、うっかり上川陽子さんが出馬意欲を示したことで相対的に埋没し、また共同親権法案の衆院採決で造反したことから「政治家として筋を通したいのは分かるけど、(党の根幹を左右するほどの重要法案でもない)そこでやるのか」ということで、人は離れてしまって20名の推薦人は集まりがたい状況のようです。

 まあ、うっかり野田聖子さん担いだところで勝ち目が薄いので、良きところで降りて他の勝てそうな候補に乗っかり直して実利を得る以外に方法がない候補になってしまっている面はあります。

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 もっとも、頑張って人を集めて出馬まで漕ぎ着けるのが総裁選だとするならば、オリンピック同様出馬することに意味があると割り切って頑張っていっていただきたいというのが正直な見解です。ここでガッツリ踏ん張れれば、再び重要閣僚での起用で日の目を見ることもあるかもしれません……。

岸田さんの「重要な仕事はきっちりこなしてきた感」

 候補者の振り返りをしていると、菅義偉さんが爆死した後に出てきた本格派・岸田文雄さんの、何をしたい宰相なのか良く分からない割に重要な仕事はきっちりとこなしてきた感は強くあります。

 本来は岸田さんの責任とまでは言い難い政治とカネの問題に応えきれず、最後は本人の美学で任期満了にて総裁を降りる決断をしたというところに、筋論で政治が回る日本社会の侘び寂びを強く感じるんですよ。

 岸田さんの偉業は枚挙にいとまがない反面、去年は公私混同が、今年は政治とカネが、と周辺に足を引っ張られては解散の決断ができず流されているようにも見える雰囲気でした。

 ただ、従来は票にならないと思われてきた外交・安全保障問題においては岸田さんはまぎれもなく日本政界の第一人者として君臨し、対米外交も対中国もアジアも欧州・ウクライナ問題から最後はパレスチナ・イスラエル間の紛争まで、G7広島サミットを金字塔としてオールジャンルで水準以上の成果を出すことができたのが岸田政権であったかと思います。

 内政面でも増税メガネと揶揄されブチ切れながらも、脱コロナ経済と物価高対策には一定の成果を出し、曲がりなりにも日経平均バブル後最高値更新を果たしたあたりは本来はもっと称賛されてしかるべきものです。