県政の歪みを告発した文書を「嘘八百」と断じ、作成者の元県職員X氏を自死に追い込んだ斎藤元彦知事(46)。今回「週刊文春」は、斎藤知事の指示のもとで、片山安孝副知事(当時)ら側近の幹部職員が作成者を特定するために行った「調査」の全容を掴んだ。
対象者の職場を一斉に訪問し…
実際にその調査があったのは3月25日。片山氏によるX氏への恫喝めいた取り調べの音声は既報のとおりだが、この聴取は「庁内調査手順」と題された指示書に従い実施されていたことが新たに分かった。
「実は調査されたのはX氏だけではありません。文書作成の張本人、いわば『本命』はX氏だったのですが、彼と親しかったY氏とZ氏も調査の対象に挙がっていた。指示書には調査班を3つに分け、対象者の職場を一斉に訪問することや、日時や聴取の流れなど細かな実施要項が記されています」(県職員)
たとえばこうだ。
〈周囲の職員に対しては、訪問の目的は「近くに来たので寄っただけ」と伝える〉
〈「記録のため、ICレコーダーで録音させてもらう」と告げる〉
「東京地検特捜部も真っ青の令状なきガサ入れだ」
調査の全容を知る職員は「東京地検特捜部も真っ青の令状なきガサ入れだ」と評する。公益通報者保護の発想が抜け落ちた兵庫県の対応の是非が問われている。
8月28日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および29日(木)発売の「週刊文春」では、X氏を狙い撃ちにするような調査が行われた驚くべき背景、公益通報者保護に対する知事の姿勢などについて詳報している。
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