「これが21世紀の先進国か」怒る毎日新聞
この日、もっとも目を引いたのは毎日新聞の社説だった。
「セクハラと日本社会 これが21世紀の先進国か」(4月30日)
とにかく内容がキレキレ。
《財務事務次官を辞任した福田淳一氏のセクハラ問題は、その答えをわかりすぎるほどわからせてくれた。》
《財務省はようやく福田氏のセクハラを認め、処分を発表したが、その場に麻生氏の姿はなかった。セクハラと正面から向き合うという姿勢がみじんも感じられない。》
《21世紀の先進国政府で起きているとは信じ難い恥ずべき事態である。「女性の活躍」を看板政策に掲げる安倍晋三首相はなぜ怒らないのか。》
結びは、
《基本的な権利を守ろうと立ち上がった一人の勇気がつぶされ、至る所で勇気の芽が摘まれる。そんな国は、現代の国際社会で名誉ある地位を占めることなどできない。》
「セクハラ」流行語から30年、“偉いおっさん”は変わらない
怒る毎日新聞。「平成あと1年」のこの日、社説のテーマがセクハラだったのも意味が大きい。セクハラ民事裁判が起こり「セクハラ」という言葉が流行語になったのが1989年、つまり平成元年である。
あれから30年経った今も、偉いおっさんの認識が変わっていないことがわかるではないか。
では明日から変わろうよ、となればまだ救いはあるが、麻生氏はこのあとも「セクハラ罪という罪はない」「殺人とか強制わいせつとは違う」などと発言。
毎日は5月8日にも社説で「『セクハラ罪はない』発言 麻生氏の非常識いつまで」。
《例えば文部科学相が「いじめ罪はない」と言って、いじめの加害者を擁護したら許されるだろうか。セクハラは重大な人権問題だ。いじめと同様、セクハラをなくそうとするのが政治家の務めのはずだ。いずれにしても麻生氏の発言は根本的に間違っていると言っていい。》
と書いた。
平成はあと1年だが、昭和オヤジのダメ論理もしっかり残っている。
新聞よ、もっと怒れ。