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朝日のスクープ通りにはさせない!?

 まるで朝日のスクープがひっくり返されたかのような流れだったが、そのあとこんな記事を見つけた。

《10月に朝日新聞が「19年3月末に退位、4月に新元号」と報道。宮内からのリークと噂されており、官邸は不信感を募らせた。結果、今度は朝日のスクープ通りになるのと年度替わりと重なるのを嫌った官邸側がゴネ、4月末退位に落ち着いたという。》(東スポ 2017年12月5日付)

官邸側がゴネたとの「噂」も 宮内庁提供

 こういうときの夕刊スポーツ紙(東スポ)、タブロイド紙は便利だ。一般紙には載らない「噂」が書いてあるからだ。

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 東スポの噂が当たっていれば「宮内庁対官邸」の情報戦の様子のほか、「朝日のスクープ通りになるのと年度替わりと重なるのを嫌った官邸側」という部分がなんとも味わい深い。

トドメの「平成〈たいらしげる〉さん」記事が読ませる

 こんな経緯もあり、朝日は「平成あと1年」も1面トップにこだわったのだろうか。記事の切り口も多様だった。

 1面には「平成どんな時代か」世論調査も載せ、2面では「新元号発表いつ」、小ネタ「パレード用オープンカー走行困難に」も用意。

 そしてとどめは社会面での「平成〈たいらしげる〉さんの30年」だ。

新元号を公表した故・小渕恵三氏は「平成おじさん」と呼ばれた

 現在76歳の平成さんは新元号発表当時、紳士服卸売会社の営業所長として大阪に単身赴任中だった。

《名刺を渡すと、新規の飛び込み先でも話が弾んだ。「めでたいね」と、主力製品だったスラックスの販売に力を入れてくれる取引先もあった。営業所の売り上げはぐっと増えた。》

 しかしバブルが崩壊すると「地方に行けば行くほど売れなくなった」「質より価格を優先する消費者」を実感する。

 平成さんを通して平成という時代がわかる仕組み。記事の後半では若い世代の声を載せ「僕らは生まれたときから不景気だった」。この記事は読ませた。

 他紙は「平成あと1年」のこの日、どう報道したか。読売も「即位儀式 伝わる技」という記事を社会面に載せたが、それより大きかったのは1面と12面&13面を使って報告した「憲法に関する世論調査」である。

「憲法 論議に関心」「改正 割れる賛否」(12面&13面)。

 憲法記念日はこの3日後なのだが、読売師匠の憲法論議が待ちきれない様子がひしひしと伝わってきた。