〈あらすじ〉
19世紀後半のモスクワ。地方貴族出身のアントニーナ(アリョーナ・ミハイロワ)は、高名な作曲家ピョートル・チャイコフスキー(オーディン・ランド・ビロン)に一方的に想いを寄せていた。やがて熱烈な求愛が実り、2人は結婚。ところが、気難しい独身主義者だったチャイコフスキーは夫婦の営みをあからさまに拒絶する。仕事と称してサンクトペテルブルクへ旅立ち、二度と戻ることはなかった。
アントニーナは、結婚生活の破綻を認めようとせず、離婚を拒否。夫が同性愛者だと知らされても愛を貫き、現実と妄想の間で苦悶する。
〈解説〉
天才作曲家を盲目的に愛し、“世紀の悪妻”と呼ばれた女性の実像を描く。脚本・監督は『インフル病みのペトロフ家』のキリル・セレブレンニコフ。143分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆共感できるところが全然なくて困った。ヒロインの一人相撲的行動、笑うに笑えず。いっそのこと喜劇にして欲しかった。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆伝記映画の衣をかぶった奇譚。野心的な映像も散見されるが、ときおり無駄に重くてくどい。「執着」の描写は念入りだが。
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斎藤綾子(作家)
★★★☆☆結婚で女が男の所有物になる時代に、男を口説き落とした無敵な女と、罪悪感まみれの脆弱な芸術家の縁を描いたか?
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森直人(映画評論家)
★★★★☆壮絶。狂気が沸騰するカオス表現の強烈さはこの鬼才監督ならでは。内容が重なる『恋人たちの曲/悲愴』も是非参照を。
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洞口依子(女優)
★★★☆☆遥か昔の世界に引き摺り込む手法は見事。『ファントム・スレッド』を想起するもセレブレンニコフ監督の世界観は変わらず強烈。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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チャイコフスキーの妻(露、仏、スイス)
9月6日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
https://mimosafilms.com/tchaikovsky/