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解散するつもりでいた

 彼女たちは、「LOVEマシーン」以来のブームが一旦落ち着いた時期、ライブに力を入れるようになり、ハイレベルなボーカルダンス集団へとモーニング娘。を生まれ変わらせ、のちに「プラチナ期」と呼ばれる一時代を築くことになる。

 その後加入するメンバーも含め、「LOVEマシーン」のような曲で再び世間にセンセーションを巻き起こすことは、後輩たちにとって一つの目標となり、この曲自体も歌い継がれていく。2014年以降は、「モーニング娘。’14」という具合にグループ名のあとに西暦の下二桁がつき、年ごとに替わるようになり、結成から27年が経った現在も存続している。

今年8月に発売されたモーニング娘。'24の最新シングル「なんだかセンチメンタルな時の歌/最KIYOU」(ジャケット写真)

 じつはつんくはモーニング娘。を当初、一番いい時期に解散するつもりでいたという。のちに語ったところによれば、《僕は紅白に出場したときに「解散します」と宣言し、シングルの4枚目ぐらいで解散したかったのですが、[引用者注:実際にその段階に達した]そのときはそんな空気じゃなかった》ということであったらしい(『無限大』2005年冬号)。

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 その一方でつんくは、グループ自体が常に新鮮な存在でいられるよう、絶えずメンバーチェンジしていくシステムづくりを模索していた。これは、洋楽評論家の福田一郎の「プエルトリコのメヌードを研究してごらん」との助言によるものであったという。メヌードはリッキー・マーティンも輩出したラテン系の音楽グループで、70年代に結成されて以来、いくら人気が出ようとも17歳になったら退団しなければならないという鉄則があった。つんくにより、モーニング娘。が一部を取り入れたこのシステムは、その後、女性アイドルグループに広く浸透していくことになる。

OGたちのその後と今

 2011年には、中澤・飯田・安倍・保田・矢口を含むOGらによって「ドリームモーニング娘。」が結成され、1年あまり活動して話題を呼ぶ。中澤は2014年に家族と福岡に移住し、タレント活動を続けている。市井は今年、5年前に出馬した参院選で繰り上げ当選したもののすぐに辞職届を出し、久々に注目を集めた。二人を含め「LOVEマシーン」を歌った8人が、いまや全員子供を儲けているというのも時代の流れを感じさせる。

2011年に結成を発表したドリームモーニング娘。 (前列左から)藤本美貴、矢口真里、安倍なつみ、石川梨華、吉澤ひとみ、(後列左から)久住小春、保田圭、中澤裕子、飯田圭織、小川麻琴 ©時事通信社

 8人のなかでも近年、とくに再び脚光を浴びているのが後藤だ。2014年6月に約2年半にわたった活動休止から芸能界に復帰、その後結婚して2児を儲けながら、2021年には10年ぶりにソロライブを行うなど音楽活動に力を入れ、あいかわらずの存在感を示している。

©️時事通信社

 トレーニングにも余念がなく引き締まった体型を維持し、つい最近も青年コミック誌『ヤングジャンプ』39号の表紙と巻頭グラビアを飾った。その若々しさは、とても今月23日に39歳になるとは思えない。後藤は金髪でデビューした13歳のとき以来、いまなお年齢を超越した存在であり続ける。