フジテレビ系列のドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』で壮絶な生い立ちが話題になった、ゲーム芸人・フジタさん(47)。小学校入学直前に母親が急死し、その後、父親が同級生の母親と暮らすようになったため、小学生で一人暮らしを強いられる。

 小学生にして、たった1人で生きなければならなくなったフジタさんは、いったいどんな生活を送っていたのか。なぜ彼の父親は、同級生の母親と暮らすようになったのか。フジタさんに話を聞いた。(全3回の1回目/2回目に続く)

ゲーム芸人・フジタさん ©杉山秀樹/文藝春秋

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両親が再婚同士で、裕福な家庭で育ったフジタさん

――フジタさんのご家族について、教えてください。

フジタさん(以下、フジタ) お母さんとお父さん、12歳年上の兄のいる家庭に生まれました。両親が再婚同士で、兄はお母さんの連れ子なので、お父さんとは血が繋がっていません。

――家族仲はよかったのでしょうか。

フジタ 良好だったと思います。お母さんの元旦那さんが比較的裕福な人で、死別後にその人の家やお店がお母さんの財産になったんですね。それからお母さんと父親が再婚をして、そのあとに僕が生まれて、家族でその家で暮らしていました。

――お父さんはどんな人だったのでしょうか。

フジタ 幼少期はそんなに接していなかったんですけど、なんだか怖かったイメージがあります。幼稚園の頃に暴力を振るわれたとかはなかったと思いますが、何かあったときに怒られていた、くらいで。

――お母さんはどんな人でしたか?

フジタ 優しい印象しかなかったですね。幼稚園のときに亡くなってしまったのでそれまでの記憶しかないのですが。

子ども時代のフジタさん(写真=本人提供)

母親が突然死したときの状況

――お母さんが亡くなった時の状況を覚えていますか。

フジタ 僕が小学校に入学する1週間前くらいに、お母さんが倒れたんです。家にはお母さんと僕しかいなくて。しばらく1人でゲームをしていたら、おばあちゃんから電話がかかってきて「お母さんいる?」と聞かれたんです。それでお母さんのことを探してみたら、風呂場で服を着たまま倒れていて。それでおばあちゃんに事情を伝えて、僕が友達の家に行って救急車を呼んでもらいました。