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2018/05/12

目先の勝負よりチームのあるべき方向に

――昨年の話で恐縮ですが、プレミアリーグEASTの優勝を振り返っていただきたい。最終節の相手は青森山田高でした。一昨年、同じ相手に敗れて優勝を逃がし、そのリベンジを果たしたわけです。優勝を決定づけるゴールを挙げたのが今、注目を集めている久保選手。トップチームでの活動が続いていたためU-18から離れていましたが、「ここはすぐに溶け込めるチーム」というコメントが出ていました。

「そういう集団になっていたんだと思います。久保選手に関しては試合に出ず、オフに入ることがベストだと判断していました。だけど本人に聞くと“出たい”と。前年に優勝できなかった悔しさがあるなと感じたし、“最終的には俺が決めさせてもらう”と伝えました。久保選手の返事を聞いて、何かやってくれそうな確信めいたものがあったので起用しました。点を取ったときに、やっぱりなとは思いました」

©末永裕樹/文藝春秋

――チャンピオンシップでは久保選手をオフに入らせて起用せず、WEST王者ヴィッセル神戸U-18に勝利しました。0-2とリードされながらも3ゴール奪っての逆転劇でした。

「目先の勝負よりも、チームのあるべき方向を見据えてチームビルディングをやってきましたから。久保選手が出場するしない、ではなく、チームの誰もが準備し、自分の役割をまっとうしたということ。全員でエネルギーを発散できる集団であれば、神戸に2点を先に奪われても点を取って勝てるという感覚が僕にはありました」

――0-2でも負けない、と。

「1年間そうやってきましたから。もし負けていたら、(取り組みを)否定することになるので負けを受け入れられなかったかもしれません。取り組んできたことは間違いじゃなかったと確認できた。この優勝を、良かったねで済ますのではなく、しっかりと分析したいとは思っています」

©末永裕樹/文藝春秋

――勝ちに不思議の勝ちなし、と。

「そうです。勝てない要因を分析することはあっても、その逆ってあまりないと思うんです。何かあったときに立ち戻る『幹』は大切にしたい。ちょっとでもあぐらをかいたら追い抜かれてしまうのがプレミアリーグ。もっともっと上に行くためにも去年の優勝を、よりポジティブなものにしていきたいですね」