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7チームで14人の監督に出会った

――佐藤さんの指導法は、やはり現役時代の経験と深くリンクしているのでしょうか。

「僕はバリバリ活躍していたかと言われたら、そうじゃない。それでも横浜F・マリノスでは優勝したり、いろんな経験をさせてもらいました。そして指導者人生を考えても、レシャックさん、ラザロニさん、岡田(武史)さんはじめ7チームで14人の監督に出会えたことで、いろんなものを冷静に観察して客観的に物事を見るクセがついたかなと思います」

©末永裕樹/文藝春秋

――31歳で現役を引退すると、すぐにサンフレッチェ広島のユースコーチに就任します。

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「お世話になったのが、筑波大学での先輩であり、フリューゲルス、サンフレッチェでご一緒した森山(佳郎、U-17日本代表監督)さん。指導者としての基準をつくってくれた人です。選手を変えたいんだというエネルギーがあれば、選手にも伝わっていくんだと学びました。3年間、サンフレッチェユースで指導者をやらせてもらって、次の3年間はJFAナショナルトレセンコーチとして中国地方の指導者と接する機会が増えました。一つひとつの出会いが、僕にとっては財産になっています。今も日ごろから時間があれば学校の先生や異業種の知り合いの方と、接したり、話したりして、いい刺激を受けたり、新しい考え方のヒントを得ています」

――好きな言葉は『一期一会』。佐藤さんらしいと思います。

「環境を変えれば、出会う人、接する人も変わる。僕はどちらかと言うと(環境を変えるのは)苦手で、ヘルペスが出るほどストレスを感じるタイプだったんです。馴染むまで大変じゃないですか。でも出会う人、出会う環境が今の自分をつくっているのだと感じています」

©末永裕樹/文藝春秋

 今季のFC東京U-18はプレミアリーグEAST開幕戦で青森山田高に敗れ、5月6日時点で8位にとどまっている。選手が入れ替わるなかで結果を求めていく難しさはある。しかしそれも一期一会。あるべき方向を見据えつつ、きょうもエネルギーみなぎる雰囲気をつくるべく、佐藤一樹は若者たちと向き合っている。