コスプレイヤーとしてコミックマーケットに参加した当日に実家が全焼したという、ミンミコ。

 そんな彼女に、実家が燃えているなかでコスプレをしていた心境、実家全焼後の混乱、父の会社が傾いたことによる困窮状態生活などについて、話を聞いた。(全3回の1回目/2回目に続く

コスプレイヤーのミンミコさん ©三宅史郎/文藝春秋

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コミケ当日に母から電話が来て「家、燃えているの」と…

――コミケ当日の明け方に、母親から実家が燃えていると知らせが。

ミンミコ 母から電話がかかってきたのが、2023年12月30日の午前4時で。30日のコミケで「ドラゴンクエストIV」の女勇者のコスプレをするので、その日は3時まで武器とかいろいろ作ってたんですよ。で、作り終わって「寝るか」ってタイミングで、母から電話が来て「家、燃えているの」って告げられて。

 第一声がそれで、「いまね、家が燃えててね、お母さん、おじいちゃんを連れて家から出てきたの」って続いて。寝ぼけて電話してきてるのかなと思ったんですけど、「カンカンカン」って聞こえてくるんですよ。

――消防車の警鐘がバックに流れていた。

ミンミコ カンカン鳴ってるから「エッ」と思って。実家は母方で、大阪の羽曳野市にあったんですよ。で、Xで検索したら実家の近所がガンガン燃えてる写真と動画がメッチャ出てきて。「ああ、ほんとに燃えてるんだ」って。

――ご実家が燃えただけではなかった。

ミンミコ 一帯。17軒燃えました。

コミケ当日の投稿がX(旧Twitter)でバズった(ミンミコさんXより)

「コミケ、行ってくれて大丈夫だから」と背中を押してくれた

――時間的にもアレですけど、ミンミコさんは東京にいるから、すぐにどうこうできないですよね。

ミンミコ どうしたらいいかわかんなかったけど「そっちに行ったほうがいい?」って聞いたら「これから、みんなで公民館に移動するの。このへん燃えちゃってるから、来てもらっても泊まるとこないと思う」と言われて。で、「コミケ、行ってくれて大丈夫だから」と。

――背中を押してくれた。

ミンミコ 母は「燃えた家はもう返ってこないんだから自分のやるべきことをしなさい! ドラクエIVのコスプレをして家燃えたっていったらバズりそうじゃない?」と言ってくれました。

「お母さんたちは大丈夫だよ!」って安心させようと思って言ってくれたんだと思います。