コスプレイヤーとしてコミックマーケットに参加した当日に実家が全焼したという、ミンミコ。

 そんな彼女に、野草を食べて空腹をしのいだ大学時代、高校と大学それぞれで起こした自殺未遂、認知症であった父方の祖母が起こしたボヤ騒ぎなどについて、話を聞いた。(全3回の3回目/1回目から読む

コスプレイヤーのミンミコさん ©三宅史郎/文藝春秋

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野草の本を片手に食べられる草を摘んでいった

――大学に入っても、困窮生活は続いていたわけですか。

ミンミコ 父親がまったく働かないので、大学に入っても変わらずですね。バイトも続けてました。定期代がなくて、バイト先のお客さんに借りたこともあったし。これは申し訳なくて、慌てて返しました。

 21歳のときに、お風呂の給湯器が壊れたときも辛くて。壊れたというか、外れたというか、給湯器がボコッと壁ごと取れたんですよ。もはや、お風呂場の壁が崩れた感じで、ちょっとした露天風呂に変身ですよ。でも、ほかに体を洗う場所がないからしかたなく使ってましたけど。がんばればキッチンからホースでお湯を引けるんです!

――食べるものに困って、野草を食べていたそうですけど。

ミンミコ それも同じ頃ですね。普通にお金がなかったので、野草の本を片手に「これは食べられる。これは食べられない」って摘んでいって。

 大学の食堂に置いてあったドレッシングをかけて食べて。これが、けっこうイケて。シーザーサラダドレッシングがおすすめです。

 

「精神科を受けよう」と父に言っても「俺はおかしくない!」

――ちなみに、父親は精神的に病んでいたりはしていなかったのですか。

ミンミコ 私たちも、父親はメンタルに支障が出てるんじゃないかって考えたんですよ。

 で、「精神科を受けよう」って父親に言うんですけど「俺はおかしくない!」と怒ってしまい、父は体が大きいから引っ張っていくわけにもいかなくて。その反応をする時点でどこかしらおかしいんですけどね。

 なんとか脳神経外科で診てもらったことがあったんですよ。脳梗塞などで脳に障害が生じているとかだったら、仕方ないと飲み込めるところも大きいなとおもったんです。

 私が子供の頃は優しいお父さんだったので、もし治る病気ならいいなという希望もありました。