「文字がバラバラになっていく」ストレスで識字障害に
――脳神経外科医の診立ては。
ミンミコ 「異常なしです」って。お医者さんの前で私は大泣きですよ。
病気だったら「しかたない。みんなで支えあっていこう」って割り切れるけど、いたって健康なわけですから。そうなると、「もう無理」という気持ちに拍車が掛かりますよね。
――父親は、見た目も健康的だったのですか。
ミンミコ 眼窩は落ちくぼんでましたね。年齢のせいかもしれませんが。あと、服装には違和感がありました。上はタンクトップしか着なくなったんですよ。
もともと見た目に気を使う方ではなかったとは思いますが、そういうところに拍車がかかった感じです。どこか健康そうに見えるのとは外れていた気がします。
――ミンミコさんは、ストレスから識字障害になったそうですね。
ミンミコ 一時的に。文章を読むじゃないですか、そうすると2行目あたりから組んである文字列がバラバラになっていくんですよ。
2回自殺しようとしたけれど…自分わりとしぶとくて
――自殺未遂の経験が2回あるそうですが、それについてもうかがっていいですか。
ミンミコ 最初が高3のとき。家が大変だけど、その不満を親にバーッと言えないし、そうなると学校でも不安定になって、周りの子たちともうまくいかなくなるし。家にも学校にも居場所がなくて、常に戦場にいるみたいな感じで。
――「なんてことをしたのだろう」みたいな思いは。
ミンミコ いや、ただただ「失敗したな」って。あと、サイゼリヤのほうれん草のソテーがメッチャ美味しく感じたんですよ。出血したあとのほうれん草って、本当にうまいんだなって。あのとき食べたほうれん草のソテーよりおいしいの、食べたことがない。
――2回目は大学のいつごろ?
ミンミコ 1年かな。やっぱり大学1年生とかって、けっこう明るい時期じゃないですか。周囲は「彼氏できた」とか「友だちと遊びに行って」とか「新歓コンパで」って言ってるときに、私はバイトと家のことがあるから、そこには入れない。そういうのもけっこうきて、2回目を。でも、自分わりとしぶとくて。自分、思ったより頑丈だったんだなって。人ってあんまり死ねないなって。
多分、自殺って衝動的にやってしまうタイプと、理性的にそろそろ生きてたくないなと判断して実行に及ぶタイプに分かれるんだろうなと思います。私は後者だったので、痛みも恐怖もあって絶命には至らなかったですね。
それから、自分で死ぬのはちょっと厳しいなって。