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コミケ帰りの電車で涙を流したワケ

――火元は近所ですか。

ミンミコ 数軒先の家で、その家の人がケータイを充電してたら、コンセントから火が出たそうです。近所の人たちで水をかけたりしてたみたいですけど、どんどん燃え広がっちゃったみたいで。30日の4時から13時まで、9時間ぐらい燃えてたみたいです。

 

――お母さんから「コミケ、行ってくれて大丈夫だから」と言われてコミケでコスプレをしても、心中穏やかなわけがないですよね。

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ミンミコ 電車で会場の東京ビッグサイトに向かう途中、母からビデオ電話で次々と報告が届くんですよ。「誰々さんの家が燃えている」とか「寒い」とか。それを聞いたら、泣きそうになってきて。

 泣くのをこらえながらポーズを取ったりしてたんですけど、こらえようと目に力を入れてたのが、キリッとした感じになってたみたいで。写真を撮ってくれた方に「目つき、いいねえ」って褒められましたけど。

 帰りの電車では、もう我慢できなくて泣いてました。

住む家がなく知り合いの家に居候

――火災保険などには。

ミンミコ おじいちゃんが、なぜか火災保険を解約しちゃってたんですよ。おばあちゃんが亡くなったときに解約していて。

――全焼ですから、住む家がないわけですよね。

ミンミコ 引っ越す家を探していたんですけど、おじいちゃんが老人性せん妄になっちゃって。お母さんがつきっきりで、働くこともままならなくて。また、探そうにも正月に入っちゃってるから不動産屋も休みで。

 そういうのが重なって動けないので、しばらく公民館にいたんですけど、1週間で出なくちゃいけないらしくて。12月30日に火災が起きたのに1月7日に公民館を出ろって言われたんですよ。5月くらいまで知り合いの家に居候させていただいて、ようやく市営住宅に入れたんです。でも、その市営住宅が12階建てでエレベーターがないという。おじいちゃん、91歳なんですよ。

 

――ただでさえ高齢だし、せん妄が起きてしまっているという。やはり、ストレスが原因ですか。

ミンミコ そう。ストレスみたいですね。おじいちゃんとおばあちゃんが結婚してからずっと住んでた家で、おじいちゃんがずっとつきっきりでおばあちゃんの介護をしてたし。だから、ものすごく思い入れがあった家なんですよね。人生を捧げた場所というか。それが一晩で燃えて無くなっちゃったんで。

 最近も背骨を折ったり、肩甲骨を分割骨折するし。もともと耳も遠くて、補聴器をつけていないといけないしで。