この「ハッキヨイ!せきトリくん」が誕生したのは、今から15年前の2009年8月。当時の広報部長が、元横綱・千代の富士の九重親方で、子どもたちに相撲に興味を持ってもらいたいという思いがあったといいます。
「当時、大相撲の観戦にはファミリー層や女性層が増えていましたが、一方で子どもの相撲離れが目立っていたころ。お子さんが相撲を能動的に見る機会が減少しているという肌感があったと聞いています。子どもたちにもっと相撲に親しんでもらおうと、九重親方が公式キャラクターを作ったらどうかと考え、実現しました」(商品開発・販売推進室 せきトリくんグッズ担当、以下同)
キャラクター案は数多く集まり、親方も目を通していました。
「ひよの山の原案を見た親方は、『これがいい! 子どもたちの目をひく!』と即決したそうです」
モチーフは「鳥」。2本足で立つ鳥は、「手がつかない」、つまり「土がつかない」ので、相撲の世界では縁起が良いとされている存在です。十両以上の力士を指す「関取」と「鳥」をかけ、名称は「せきトリくん」となりました。
「ひよの山」の口元は鳥の嘴のような形で、まさに「鳥」を意識したデザインです。ちなみに名前は、まだ一人前ではないことを意味する“ひよっこ”からきているとのこと。
2009年8月のお披露目では、九重親方とひよの山の着ぐるみが並んで登場。子どもたちに相撲を楽しんでもらいたいという思いから作られたキャラクターは、親方や相撲関係者、ファンの方からも好評だったといいます。
漫画は全436話!最初からキャラクター数は想定していた
さて、ひよの山が登場する4コマ漫画は、どんなお話なのかというと…。
上京して相撲部屋に入門したひよの山の成長が描かれた物語で、相撲の豆知識も得られる構成です。漫画を1話目から読むと、様々なキャラクターが登場し、ときおり相関図に載っていないレアなキャラクターも出てきます。作者は、キャラクターデザイナーのにしづかかつゆきさん。2009年のスタート時からこの相関図の関係はある程度決まっていたといいます。