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足利義昭役の大穴は宮藤官九郎か?

 光秀が信長とのあいだを取り持った室町幕府将軍・足利義昭というと、大河ドラマでは、ミュージシャンの玉置浩二(『秀吉』1996年)や脚本家・演出家の三谷幸喜(『功名が辻』)と異色の人物が起用されてきた流れがある。

 とくに三谷は、大河で『新選組!』(2004年)の脚本を手がけたあとの出演だったこともあり、インパクトがあった。そこでここでもあえて変化球を狙い、前年の大河『いだてん』で脚本を担当する宮藤官九郎が、今度は俳優として起用されるものと予想してみた。まあスケジュールなどからいえば難しいだろうが。

大泉洋(左)と宮藤官九郎 ©文藝春秋

 光秀とともに義昭・信長のあいだを取り持った細川藤孝(幽斎)の役には大泉洋を、池端脚本の『駄菓子』(TBS日曜劇場『おやじの背中』第8話、2014年)で主演していることも踏まえて選んでみた。

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 大泉といえば、一昨年の大河ドラマ『真田丸』で、主人公・真田信繁(幸村)の兄・信幸(信之)を演じたことを思い出す人も多いだろう。大坂の陣で豊臣方についた信繁に対し、信幸は徳川方について真田家の命脈を保ったが、細川藤孝も本能寺の変では光秀からの誘いを断り、結果的に細川家を守っている。大泉にはそんなしたたかに生き延びる人物を、『真田丸』に続き、ぜひ演じてほしい。

 宮藤、大泉と来て、さらに秀吉役に星野源と来ると、どうもサブカル寄りすぎるとは思うが、星野ならきっと、人はいいけど腹に一物持っていそうな秀吉を好演してくれるものと期待を込めて選んでみた。

星野源(左)と松尾諭 ©文藝春秋

 家康役で予想した松尾諭は、長谷川博己とは映画『シン・ゴジラ』(2016年)で名コンビぶりを見せたのに続き、前出の『夏目漱石の妻』でも共演している。体つきからいっても家康役はハマるのではないか。

光秀の娘・細川ガラシャには浜辺美波か、奈緒か

浜辺美波

 最後に、光秀の娘で、細川藤孝の嫡男・忠興に嫁ぐ細川ガラシャ(玉)には、ミステリアスな美少女がふさわしいと考えた結果、最近活躍がめざましい浜辺美波をあててみた。

 さらに対抗として、昨年NHKのBSで放送された『赤ひげ』で存在感を示していた奈緒もあげておきたい。現在、連続テレビ小説『半分、青い。』にヒロインの親友役として出演中の弓道のあの子である。

 ここまで『麒麟がくる』の配役を考えてきた。脚本の池端俊策は、NHKではこれまでに大河ドラマ『太平記』(1991年)で起用されたほか、近年では、前出の『足尾から来た女』『百合子さんの絵本』など近現代史物でも意欲作を次々と発表している。つくづく惜しまれるのは、『太平記』など池端作品で多数タッグを組み、大河ドラマの常連でもあった緒形拳がすでにこの世にいないことだ。

 生きていれば2020年に83歳になっていたはずの緒形が、『麒麟がくる』に出演することになっていたら、どんな役に選ばれたのだろうか。不明な点が多く、ドラマでは創作で描かれることになるであろう光秀の父親など、きっと物語上重要な役を担ったことは間違いないはずである。