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年齢差もピッタリ? 山田孝之の信長はハマりそう

 昨年の『おんな城主 直虎』では市川海老蔵が扮するなど、これまで大河では信長を名だたる俳優が演じてきた。個人的にも信長を演じているところを見たい俳優は多いが(先日のTOKIOの記者会見を見ていたときには、ふと松岡昌宏の信長を見たいと思った)、これぞとひらめいたのが山田孝之だ。

山田孝之 ©近藤俊哉/文藝春秋

 山田といえばNHKではデビューまもないころにドラマ『六番目の小夜子』(2000年)に出演、さらに連続テレビ小説『ちゅらさん』(2001年)のヒロインの弟役でブレイクした。この間、大河ドラマ『葵 徳川三代』(2000年)で江戸幕府三代将軍・徳川家光の少年時代も演じている。

 デビュー当初は内向的な美少年というイメージだった山田だが、その後大きく変貌を遂げ、いまでは不良やアウトローの役で抜群の存在感を示している。昨年には、吉村昭の小説を池端俊策がドラマ化した『破獄』で驚異的な身体能力を持つ脱獄囚を演じて、強烈な印象を与えた。

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 一方で、コメディ色の濃い『勇者ヨシヒコ』シリーズ(2011~16年)やドキュメンタリードラマ『山田孝之のカンヌ映画祭』(2017年)など気鋭の監督と組んで新たな試みも展開している。こうして見ると、「革新的な魔王」と「地元を取り仕切る保守的な領主」両方のイメージを併せ持った信長を演じるにはまさに適役ではないか。ちなみに山田は、『信長協奏曲』のドラマ版(2014年)および映画版(2016年)では豊臣秀吉を演じている。

 なお、1528年生まれと伝えられる光秀に対し、信長は1534年生まれと6歳違う(ただし、光秀の生年には諸説ある)。これは長谷川博己(1977年生まれ)と山田孝之(1983年生まれ)の年齢差と同じだ。

『夏目漱石の妻』タッグをもう一度!

尾野真千子 ©石川啓次/文藝春秋

 次に女性の出演者を考えてみたい。先述のとおり、長谷川博己は一昨年、池端俊策脚本の『夏目漱石の妻』に出演している。このとき漱石を演じた長谷川に対し、その夫人で主人公の夏目鏡子に尾野真千子が扮した。尾野はこれより前、同じく池端脚本によるドラマ『足尾から来た女』や『松本清張~坂道の家』(ともに2014年)でも主演している。

 とすれば、『麒麟がくる』にも出演する可能性は高いのではないか。NHKで目下、尾野主演の連続テレビ小説『カーネーション』(2011年)が再放送されているのも、ひょっとするとその伏線だったりして。

 尾野が出演するとすれば、『夏目漱石の妻』に続き長谷川との夫婦役がふさわしいだろうか。明智光秀の妻・煕子には、光秀の没後、居城であった近江・坂本城の開城が論議された折、家臣に生き延びるよう説くなど、賢女ぶりを示すエピソードが伝わっている。こうした芯のしっかりとした女性は、尾野が得意とするところだろう。