1ページ目から読む
2/4ページ目

「あんた、何してんの!」登校前に突然、男の人に襲われて…

――えっ。それ、生命の危機ですよね。

清水 小学生の頃って、登校する時に同じ学校の生徒と集合してから学校に向かうじゃないですか。私は遅刻するのが嫌いやから、いつも一番で集合場所に行ってたんですけど、なんかベランダから見てくる大学生くらいの男の人がいたんですよ。

 ある日、その集合場所に行ったら、その男の人がいつものベランダにいなくて。「あれ、あの人おらんなあ」と思ったら、いきなり私の後ろから首を絞めてきて。一瞬で金縛りのような感覚になりました。その時いつもご挨拶する近所のおばあちゃんがちょうど掃除をしようと家を出てきたところで「あんた、何してんの!」って言って止めてくれて、助かりました。

ADVERTISEMENT

 

「男性が馬乗りになってきた」帰宅中に暴漢に襲われ、撃退

――それは怖い。清水さんは大人になってからも不審者に襲われかけたそうですね。

清水 20代半ばくらいですね。コンビニを出て、人気のない道を帰っていたら、後ろから気配がして。パッと振り返ったら10メートルぐらい後ろにスーツを着た若めの男性が歩いていて。「まあ大丈夫か」と思って進んでたら、また気配を感じて。後ろを振り返った瞬間に首を絞められて、そのまま地面にガンと叩きつけられたんです。

 その瞬間、頭が真っ白になりました。「何が起こったん」って。やっぱりそういう時って助けてとか声が出ないんですよ。「うわっ、小学校の時も、中学校の時もそうだった」って思い出して。「でも今は大人になって力があるぞ」って。男性が馬乗りになってきたときにiPhoneを片手に持っていたので、相手のこめかみの部分をiPhoneの角で殴り続けました。多分10発以上はいきました。

 相手も俊敏な動きをしていて力が強かったし、もしスタンガンとかを持っていたらこれは殺されるかもしれないと命の危機を感じたので必死で抵抗しました。その時、ヒールを履いていたのも良かったです。仰向けで寝転がった状態だったから相手の股間をめがけて、もう取ってやるぞぐらいのパワーで蹴り続けたんですよ。こめかみと股間のダブル攻撃をし続けたら、男性もさすがに痛かったのかあきらめて走って逃げていきました。

 

 男性が逃げてからすぐに警察が来たんですけど、その道ってカメラがない場所だったんです。だから警察の方も「常習犯で、この場所を狙ってたんじゃないか」と言っていたんですけど、結局相手は捕まらなくて。ただその時、初めて強い気持ちで不審者を撃退できたから、少しは成長したのかなと思いました。あれは空手をやってなかったら多分、力の使い方とか命中率の高さとか、色々な備えがなかったので助かってなかったなと思いました。