数字を獲れるならそれをやればいい
戸部田 ほんとすごいですよね。反応だけ見ると、なんで獲れるのか、って思っちゃいますよね。
ヒャダイン だからそこらへんも、日テレの人たちはわかっているんですよね。一部の声の大きな人の声は聞かなくていいという。でも、たぶん本人たちも論理的にはわかっていないんだと思うんですよ。けど、実際取れているから、やろうという。こうやったら数字が獲れるぞじゃなくて、実際、これが数字獲れているぞ。だったらそれをやればいいじゃないか。
だからそれを理屈で考えてトレースして、『イッテQ!』みたいな番組を作ろうとしたとしてもダメなんですよね。
戸部田 今回の本の取材でわかったのは、90年代の日テレ躍進で、見落とせないのが中途採用の人たち。五味さんや菅さんといったバラエティ制作の人はもちろん、ドラマ制作の佐藤敦さん(『家なき子』など)や広報やマーケティング部に至るまで、そういう異文化の人たちが入ってきたというのが、すごく大きかったみたいなんです。そういうのって、音楽をつくる現場とかでも感じたりしますか。
ヒャダイン 音楽の現場って、入れ替わりがとても激しい。えっ、この間ビクターにいたのに、次、ワーナーにいるの? みたいな(笑)。許されるんだみたいのがあったりするので。あと、まったくの門外漢が入ってきたりとかもする。そこらへんはテレビ業界よりもっとフレキシブルかも。
でも日テレって、中途採用を積極的にやるのもカッケーなというのはあって。中途採用したほうが今までの既成概念をぶっ壊してくれるし、不慣れな部分もあるでしょうけど。これが縁故採用だと理不尽の極みじゃないですか。
一番いい席にフジが。「それはおかしい」
戸部田 現在、日テレの専務になられている小杉さん(『着信』、『SHOW by ショーバイ!!』など)が「テレビ関係者が集まるパーティに行くと、フジテレビの人たちが一番いい中央の席に自然と座っていた」と。
ヒャダイン 信長が真ん中にいるのは当たり前だと。
戸部田 そうそう(笑)。最初はそれに疑問すら持たなかったんだけど、そのことのおかしさに気づいた時、ものすごく悔しかったとおっしゃっていて。
ヒャダイン さすが秀吉(笑)。