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ヒャダインが語る「批判されても『24時間テレビ』が成功する日テレの事情」

ヒャダイン×てれびのスキマ「日本テレビのえげつない勝ち方」#3

ボンボンよりのし上がろうとしているほうを応援したくなる

戸部田 ヒャダインさんの手がけているアイドルも、ちょっと前まで音楽界ではある意味、端のほうに座らされていて肩身が狭かったんじゃないかなって思うんですけど。

©深野未季/文藝春秋

ヒャダイン ずっと真ん中に憧れる気持ちというのを保ち続けたほうがいいと、僕は思うんですよね。ずっとカウンターカルチャーであるというか。自分がメインストリームになったらなったで、大変なことってすごくありますし、見えない部分、気づかない部分とかあると思うんですけど。カウンターカルチャーとして、ウググググってもがいているのって、何がいいって、みんな応援してくれるんですよね。そっちのほうが。この国ってメインストリームのものを応援したがらないという。

戸部田 確かに。

ヒャダイン 日テレのように万年3位からのし上がって、どんな手を使ってでも勝つぞと言っている人たちのほうを応援したいんですよね。もとからのボンボンで、何不自由なく育ってきてという人たちにケッてなるというか。なので、パーティの真ん中でキラキラしていて、行け行けドンドンな人たちは羨ましいな、てなっている人たちのほうが、本人たちのモチベーションは上がりますし、周りからも応援してもらえると思うんです。

 だから「24時間チャリティーマラソン」とかも、それの具現化なのかもしれないですね。汗かいて、痛い、ツラい思いをして。そこに意味はないじゃないですか、24時間走るって(笑)。けど、がんばっている人を応援したくなるという仕組みが、やっぱ日テレがいま支えられている所以なんじゃないかな。『イッテQ!』に出ている人たち、全員がんばっているじゃないですか。すげえ山の中とか行くんだけど、鼻歌を歌っているみやぞんさんを見て、みんな癒やされたりとかして。で、涙流しながら氷の上で相撲取ってる森三中を見て、がんばろうという気持ちになるわけですからね。

戸部田 応援したくなる構図になってるんですね。

ヒャダイン だから、あのマラソン、そして「徳光和夫」さんの存在自体が、僕は日テレの擬人化なんじゃないかなと思っております。

©深野未季/文藝春秋

第1回
http://bunshun.jp/articles/-/7375

第2回
http://bunshun.jp/articles/-/7376

 

『全部やれ。』を書くきっかけとなった対談「“テレビっ子”ヒャダインが語るテレビのこと」
http://bunshun.jp/articles/-/1236
http://bunshun.jp/articles/-/1237
http://bunshun.jp/articles/-/1238

 

ヒャダイン/前山田健一。1980年、大阪生まれ。3歳の時にピアノを始め音楽キャリアをスタート。京都大学を卒業後、2007年より本格的な音楽活動を開始。ももいろクローバーZ、私立恵比寿中学やでんぱ組.incなど様々なアーティストへ楽曲提供を行う。自身も『PON!』(日本テレビ)などTV、ラジオレギュラー多数。

戸部田誠/1978年生まれ。2015年にいわき市から上京。ライター。ペンネームは「てれびのスキマ」。お笑い、格闘技、ドラマなどを愛する、テレビっ子ライター。『週刊文春』『週刊SPA!』『水道橋博士のメルマ旬報』などで連載中。新刊は日テレがいかに絶対王者フジテレビを逆転できたのかを描いた『全部やれ。』、主な著書に『笑福亭鶴瓶論』、『1989年のテレビっ子』など。

全部やれ。 日本テレビ えげつない勝ち方

戸部田誠(てれびのスキマ)(著)

文藝春秋
2018年5月11日 発売

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