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「SMAPの香取慎吾容疑者が死亡しました」

「ショッキングな情報が入ってきました。たったいま、SMAPの香取慎吾容疑者の死亡が確認されました。繰り返します。SMAPの香取慎吾容疑者が死亡しました」と伝えられる中、番組は、香取のこんな言葉で締められる。

「時に誤解があったとしても人と人とは、わかりあえる。僕はそう信じている」

もちろん現実で香取慎吾は逮捕されていないし、現在もタレント活動を続けている(画像:YouTubeより)

 フェイクドキュメンタリーは「もともと境界が揺らいでいるフィクションとドキュメントの本質を逆手に取って形にする表現」だと長江は言う。

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「高度なメディア社会になったいまの世の中における視聴者のリアリティって、きっとニュース映像なんですよ。そのものズバリ、殺人の現場を見せるよりも、レポーターが殺人事件のあったマンションの前でしゃべっている方が現実感がある。そういうニュース番組の文法を応用するということが、まず考えた方法論です」(長江/『Quick Japan』Vol.57(太田出版)より)

 まさにこの方法論を使ったのが「香取慎吾2000年1月31日」だろう。そして、それを踏まえ「ドキュメンタリーの要素(実際の人物や事実、正しいデータ等)を物語の要所要所に盛り込むことで、作品を“フィクションなんだけれども、あり得るかもしれない怖い話”にみえるように工夫する。そういう真実と虚構の境界線の曖昧さを使って、どれだけ遊べるか、という実験」(『Quick Japan』Vol.57(太田出版)より)が『放送禁止』シリーズなのだ。