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 石破氏はこの10年以上、ずっと自民党内で嫌われていたから今回総裁になれて良かったねと喜んだ人もいるだろうし、もしかしたら本人もそうかもしれない。しかし総裁になった今こそ最大の意地悪をされているのではないか? 

負けたら「石破氏の責任」勝ったら「裏金問題はチャラ」?

 誰が総裁になっても苦戦したであろう次の衆院選。負けたら石破氏の責任であり、勝ったら裏金問題は無くなると期待している人がいる。どっちみち使い捨てなのである。この状況にいつ気づくのか。

 ほんの1年前、石破氏は総裁候補としてはもう終わった人だとみられていた。しかし自民党派閥の裏金問題が発覚し、党内の端っこにいた人間に再び目が向けられた。自分で這い上がったのではなく他力で浮上しただけなのである。

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©時事通信社

 それも政治家の運だというなら、石破氏には裏金問題の対応こそ注目されていた。しかし党内にあっさり取り込まれて世論は呆れた。

 さてここまで書いたらこんな速報が流れてきた。

『石破首相、裏金議員の重複立候補認めぬ方針 一部は非公認も 衆院選』(毎日新聞WEB・10月6日)

《自民は裏金議員について、原則公認し、比例代表との重複立候補も原則容認する方向だったが、世論からの強い批判を背景に、石破首相が党内を押し切った形だ。》

 非公認は代表的なところでは萩生田光一氏が該当する。石破首相はこの1週間の世論の呆れっぷりにさすがにマズいと気づいたのだろうか。ただ、またしてもブレて最初に戻っただけとも言える。ややこしい。

 どうせ党内から嫌われていると開き直れるのか、それともまた新たにブレるのか。しばらく注目です。