長らく自民党の中で「非主流派」と呼ばれてきた石破茂氏(67)が新首相になり、変わったのか、それとも変わっていないのかが話題になっている。
そこで第102代内閣総理大臣に指名されて初めての会見を分析すると、石破首相が「自信があること」「不安に思っている分野」「ツッコまれたくないこと」が透けて見えてきた。
冒頭から15分ほどは「守る」などの基本方針を淡々と説明した石破首相だが、気になったのはかなり頻繁に手元の資料に目を落としていたことだ。
「経済について伺います」と聞かれると資料を何度も再確認し…
石破首相といえば過去にテレビの生出演も多く、講演や演説でもほとんど資料を見ずに話していた印象が強い。しかし自由に発言ができる「非主流派」から首相に立場が変わり、発言に注意する気持ちが増しているのかもしれない。
質疑応答でも記者の質問に対して資料に目を落とす場面が多くみられたが、特に経済政策や金融政策の話題では資料に頼る度合いが高く見える。
記者から「経済について伺います」と言われた途端に視線を落として資料を何度も再確認し、資料をそのまま読んでいるような場面もあった。安全保障や防衛問題とは自信の度合がかなり違いそうだ。
ながらく安倍晋三元首相の経済政策に異論を唱えて距離を置き、金融政策では日銀の早期利上げを容認すると見られていただけに、「金利についてとやかく申し上げることではございません」と会見での語調は弱く、言葉に力強さはなかった。