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「成長戦略を更に加速させる為に決定されたもの」

 セブン&アイHDは書面での質問に以下のように回答した。

――コンビニ事業に注力し、イトーヨーカ堂を切り離すなどの新たな経営方針は、クシュタールへの買収防衛策なのか?

祖業のイトーヨーカ堂 ©時事通信社

「今回発表した施策は買収提案を受けて策定したものではなく、ご指摘の内容は事実ではありません。当社はコンビニエンスストア(CVS) 事業・SST(註・スーパーストア) 事業(ヨークHD)・金融事業、それぞれの事業が一定の財務・意思決定体制の独立性をもって事業運営を遂行し、異なる成長ストーリーを追求していくことをすでに2024年4月10日公表のアクションプランにてお示ししております。このアクションプランに基づき、当社の長期的成長と企業価値を高めるグループ構造への移行について、昨年設立された独立社外取締役のみで構成される戦略委員会における討議、及び、戦略委員会からの提言を受けて取締役会にて検討を重ねてきた結果であります。従ってACT社(註・クシュタール)からの提案とは関係ありません。SST事業における抜本的改革が着実に進捗する中で、ヨークHDの設立および戦略的パートナーの招聘を通じた持分法適用会社化は、係る戦略的方針及び成長戦略を更に加速させる為に決定されたものであります」

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コンビニ専業に舵を切る ©時事通信社

 10月16日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および10月17日(木)発売の「週刊文春」では、セブン&アイHDの井阪社長が直撃の最後に思わず漏らした本音のほか、セブン-イレブン・ジャパンの永松文彦社長との一問一答、クシュタールのブシャール会長の人物像、買収交渉のカギを握る取締役会議長の存在などについても取り上げている。

 さらに、「週刊文春 電子版」ではオリジナル記事として、セブン&アイHDが祖業でもあるイトーヨーカ堂の切り離しを決断するまでの経緯を詳報するとともに、イトーヨーカ堂社長がいわゆるリストラに言及した店長会議の音声も公開している。


※註は編集部による

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