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しかし、いつしか「本当に苦しいな」というときに、苦しみを楽しめる瞬間がポツポツと出てきたのだ。そうして、「あれ?苦しいのも悪いことだけじゃないぞ」「いっそ、この状況を楽しんでしまえ」と思えるようになった。
解剖学者の養老孟司先生にある時いただいた言葉にも、影響を受けている。
「古舘さん、たとえ苦しみのどん底だと思っても、それは本当のどん底じゃない。その証拠に、まだ下を掘れるでしょう? まだまだ掘りゃいいんです」
確かにそうだ。掘ればいいのだ。ここから抜けられない、底辺だと思うなら、まだまだ掘って掘って、掘ってやろう、と。明けない夜はない。ならばいっそ開き直って、とことん付き合ってやればいい。
古舘 伊知郎(ふるたち・いちろう)
フリーアナウンサー
立教大学を卒業後、1977年、テレビ朝日にアナウンサーとして入社。3年連続で「NHK紅白歌合戦」の司会を務めるなど、NHK+民放全局でレギュラー番組の看板を担った。テレビ朝日「報道ステーション」で12年間キャスターを務め、現在、再び自由なしゃべり手となる。2019年4月、立教大学経済学部客員教授に就任。
フリーアナウンサー
立教大学を卒業後、1977年、テレビ朝日にアナウンサーとして入社。3年連続で「NHK紅白歌合戦」の司会を務めるなど、NHK+民放全局でレギュラー番組の看板を担った。テレビ朝日「報道ステーション」で12年間キャスターを務め、現在、再び自由なしゃべり手となる。2019年4月、立教大学経済学部客員教授に就任。