2024年9月、文春オンラインで反響の大きかった記事5本を発表します。第1位はこちら!(初公開日 2024/09/22)。

*  *  *

「自分の味方になってくれる人間をたくさん作れるように、今から見た目だけは磨いとけ、とは言いたくなりますね。それで今があるわけなので」

 高校時代は陰キャな見た目から、クラスメイトにもいじめられていたインフルエンサーのひやニキさん。しかし20代のときに一念発起し、体重69→54キロに減量。今では美しいコスプレ姿を武器にSNSで数万のフォロワーを集める人気インフルエンサーに。彼はなぜ変われたのか? そして変わって気づけた「見た目を整える」ことの大切さとは?(全2回の2回目/前編を読む)

ADVERTISEMENT

ひやニキさんはなぜ変われたのか? 変わる中で気づいた「見た目を整えることの大切さ」とは? 写真は10代のときのもの(写真:本人提供)

◆◆◆

「15キロ痩せた」理由

──何をしたら15キロも痩せられたんですか?

ひやニキ 一番効果があったのは、オートファジーダイエットですね。夕食を早めに済ませて翌朝の朝食を抜いて、16時間何も食べない時間を作る、というダイエットです。どうしてもお腹が空いたときは茹で卵だけ、とかにしていました。

 あと、ダイエット中はパンやパスタなどの小麦類は取らなかったですね。炭水化物の取りすぎは、特に男性はメンタルが傷つきやすかったり、肌が荒れやすくなったりするらしいんです。僕は肌をきれいにしたかったので、できるだけ控えていました。

 そのほかだとHIITトレーニング(高強度のインターバルトレーニング)を1年ぐらい続けました。最初はきつかったんですが、2020年以降はコロナ禍で暇だったこともあってトレーニングが進みましたね(笑)。

 逆に友人に「10キロ走ったほうがいい」とアドバイスされて、ランニングもしたことがあるんですけれど、僕は全然痩せなかったです。

努力をへてスリムになった、33歳のひやニキさん ©原田達夫/文藝春秋

──5年くらいかけて、少しずつ変わっていったんですね。

ひやニキ 少しずつなんですよね。僕自身「もっとこういうふうになりたい」という思いはもっていたものの「自分にできるわけない」と諦めていたんです。

 その時に、いつも誰かしら助けてくれる人が現れて、体当たりでぶつかってきてくれたんです。それで「こうしたいんだよね?」と知識をくれて、はげましてくれたんですよね。

──洋服を選んでくれたり、美容室に連れて行ってくれたりした友人もそうでしたね。

ひやニキ そうですね。僕は、なぜ彼が僕を助けてくれたのか疑問だったんです。ある日、2人でラーメン食べている時に「なんでいきなり俺のことを助けてくれたの?」って聞いたら、彼はビールを飲みながら「彼女と別れて悔しいでしょ? お前がもっといい女を捕まえるために、いい男になればいいなって思っただけ」って言ってくれて。

──いい友達ですね。ひやニキさんは、見た目が変わったことで人生に変化はありましたか?

ひやニキ いろいろあるんですけど……。友達の質は上がった気がします。世の中、人と人とが違うのは当たり前なはずなのに「こいつは自分と合わないからもういいや」とか「こいつのここがダメだから無理やり直そう」という人が多いですよね。でも「こいつはこいつだから」と、自分らしさをそのまま認めてくれる友人が増えました。中高のクラスには、そんな友人は一人もいなかったです。

 そう考えると、自分がきれいになって周りから見られるようになって、出会う友人の質も量も増えていったのは絶対にあると思っています。

──それは、見た目がきれいになったことで、人が寄ってきてくれるようになったからですか? それとも、自信がついたことで自分からコミュニケーションが取れるようになったからでしょうか?