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決勝ネタのタイトルが「光」だった理由

塚本 あの夫婦に「ひきこもり」っていうワードを出してほしくないところもあるじゃないですか。絶対に言わないだろうし。そういうご家庭だったら。

――もし自分の子どもがそうだとしたら、親としてはギリギリまで認めたくないと思います。

溜口 絶対希望を持ちながらみんな生活してますもんね、そこは。

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――だからあのコントのタイトルは「光」なんですね……。

溜口 (笑)。

塚本 これ、タイトルは溜口さんが全部付けてくれるので。いいタイトルですよね(笑)。

溜口 こざかしいですよね(笑)。

「キングオブコント2024」決勝で披露した“ドングリのネタ”こと「光」(ラブレターズのYouTubeチャンネルより)

――「ドングリ」でも「ひきこもり」でもなく「光」というところに、おふたりの今までの歩みもリンクしている気がしちゃうんですよ。

溜口 みんなすごいよく言ってくれるんですけど、そんなたいそうなものじゃなくて。

――違うんだ(笑)。

溜口 結局コントなので、最後までふざけたほうがいいなっていうところで。『ドングリ』だったらそのままで終わっちゃうので、ちょっと角度変えたタイトル付けて、もっとラブレターズのことを考えてもらおうっていう。

――昨今の考察ブームにも乗っている。

溜口 ただ「ネタ面白かったね」だけじゃなくて、「光? ちょっと待って、待って」っていう。ネットが沸いたなら狙いどおり(笑)。 

塚本 そもそもこんな未来あると思わないですもんね(笑)。

溜口 うれしい。

 

――決勝の楽屋の雰囲気ってどんな感じだったんですか。

溜口 全然ピリピリ感はないです。直前までみんないじったり、いじられたりで。で、誰かが行くと「頑張って」みたいな感じ。とにかくみんなスベらずに帰ってくるっていうのがまず根っこにあるので。

塚本 それは決勝に出られなかった芸人のためにも。

溜口 われわれなんか特にスベるわけにはいかないじゃないですか。後輩たちの枠を奪ってるわけなので。

最下位になると「日本で一番面白くない人」に

――大会として「盛り上がったね!」で終わらせたい。

塚本 昔、決勝でわりかし辛い時代があったんですよ。

溜口 厳しい時代。

塚本 今考えたらすごい怖かったですけど。なんで決勝まで行って、誰がスベるんだろう、という視点で見なきゃいけないんだろうって。

 

溜口 最下位だとしても、全国10位だよ。すごいことなのに。

塚本 さらば(青春の光)さんもあったもんね。全く振るわない時。

溜口 日本で一番面白くない人みたいな言われ方もするんですよ。われわれも最下位取ってるからわかる。

塚本 94対7で犬の心さんにボロ負けした年も……。

溜口 なかなか立ち直れなかったですけど。