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「ふうかは幼稚園の頃、病気や障害のない子どもたちと一緒に生活をしていました。そのときに保護者同士でよく話していましたが、『ほかの子やその親御さんは、病気や障害がないからこそ、周りと比較して悩むことも多いんだな』と感じることがありました。

 一方で、ふうかと私の場合は、周りと比べることがそもそもありません。病気を理由に、親子で閉じこもった生活を送っていたら、『なんで私たちだけ』と思っていたかもしれない。でも、幼少期からたくさんの人たちと関わったことで、恵まれている面に気づけたと思っています」

 

葛藤しながらも病気を公表した理由

 とはいえ、初めての子育てや病気のケアで、ときには不安にかられる瞬間もあったはず。手探りの育児生活の中で、星野さんは何を心の支えにしていたのだろうか。

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「ふうかと同じ病気のお子さんを育てるご家族のブログです。難病でも家族で支え合い、笑って過ごしている姿には、何度も励まされました。だからこそ、『これまでの恩返しになるなら、私たち家族のことも発信したい』と思うようになったんです」

 2024年9月15日、星野さんは自身のInstagramで、ふうかさんの病気を公表した。しかし、公表を決意するまで何度も葛藤したという。

「公表することで、どれくらいの影響があるのか、私には想像がつかなかったんです。家族に何か悪い影響があったらどうしようと思うと怖くて、長い間、躊躇していました」

 それでも公表したのは、星野さんやふうかさんが経験してきた「世界」を多くの人に知ってほしい、という願いからだ。

「娘を通じてたくさんの人や制度に助けられて。こんなに温かい世界があるなんて、ふうかが産まれる前までは全く知りませんでした。私が経験した温かい世界をほかの人にも知ってほしいと思い、公表することを決意しました」

ふうかさんが難病「先天性ミオパチー」であることを公表した(ふうかさんのInstagramより)

ネガティブな反応はほとんどなかった

 星野さんの勇気ある公表を、多くのメディアが取り上げた。本人たちのもとには、どんな反響が届いたのか。心配していた“悪影響”はあったのか。

「病気を公表した直後から、温かいコメントがたくさん届いたんです。中には、『私もふうかちゃんと同じ病気です』という方もいて。病気について気軽に話せる人がいないから、公表してくれて嬉しい、という反応もありました。

 公表前に不安に思っていたネガティブな反応は、蓋を開けてみるとほとんどありませんでしたね。私が想像していた以上に温かい世界が広がっていて、『公表してよかったな』と思いました」

撮影=佐藤亘/文藝春秋

INFORMATION

星野真里さんと加藤ローサさんがW主演を務めるドラマ『きみの継ぐ香りは』が2024年11月8日(金)から放送予定!

【タイトル】きみの継ぐ香りは
【放送日時】2024年11月8日(金)放送開始
      毎週金曜21:25〜21:54<TOKYO MX1>
【出演】星野真里、加藤ローサ ほか
【製作・著作】TOKYO MX